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医師「この時期は控えて」 → 『花粉症』を悪化させる“意外な生活習慣”とは?【専門医が解説】

  • 2025.2.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

2月に入り、すでに花粉症の症状が出始めている人もいるのではないでしょうか?春先になると、多くの人が花粉症に悩まされます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が日常生活に大きな影響を与えることも少なくありません。花粉症の症状を軽減するためには、薬の使用だけでなく、食事や生活習慣の見直しも大切です。今回、医師に取材し、花粉症対策について詳しく伺いました。

花粉症の症状を“和らげる可能性がある食品”とは?

花粉症を和らげる栄養素として注目されているのが「プロバイオティクス」です。プロバイオティクスとは、腸内にすんでいる細菌叢のバランスをよくすることによって,人間の健康に好影響を与える生きた微生物のこと。腸内の善玉菌を増やすことで免疫バランスが整い、花粉症の症状であるアレルギー性鼻炎の軽減が期待されています。

プロバイオティクスにはビフィズス菌や乳酸菌が含まれており、これらを含む食品を摂取することで、花粉症の症状が改善する可能性が示唆されています。

医師コメント
ときどきアレルギー性鼻炎に対してヨーグルトが良いという話を聞いたことがあるかもしれませんが、それもいわゆるプロバイオティクスをイメージした話題だと思います。こういったプロバイオティクスを用いることで,アレルギー性鼻炎の症状が改善しうるかもしれないという期待をさせる報告は複数あります。

実際に、Lactobacillus plantarumという菌を使って発酵させた柑橘ジュースが、鼻水や鼻づまりを改善したという報告や、Lactobacillus helveticusを使った発酵乳が鼻づまりに有効であったという研究もあります。

プロバイオティクスを含む食品で代表的なものにはビフィズス菌や乳酸菌があり、これらを含む食品を摂取することで、花粉症の症状を軽減する可能性が示唆されています。

  • ヨーグルト(乳酸菌)
  • 発酵食品(納豆、キムチ、味噌)
  • プロバイオティクスを含む飲料(発酵柑橘ジュース、発酵乳)

これらの食品を摂取すればすぐに症状が改善するわけではありませんが、継続的に取り入れることで一定の効果が期待できる可能性があります。

花粉症を悪化させる生活習慣とは?

花粉症の対策では、生活習慣の見直しも重要なポイントです。花粉症を悪化させないためには、まず衣服に気をつけることが大切です。

花粉の付着を防ぐためには、衣類の素材選びから注意が必要。特にウールや毛羽立った素材の洋服は花粉を吸着しやすいので、なるべく避けるようにしましょう。逆に、ポリエステルやナイロンなどのツルツルした素材の服は、花粉が付きにくく、簡単に払い落とすことができます。

医師アドバイス
花粉は全身に付着します。体中に花粉がつきやすいような衣服の着用は、この時期は控えてほしい行動といえます。 対策としては,頭や髪の毛は帽子で防ぎ,目や鼻はメガネやマスクで,首はマフラーや春先はスカーフで防いで,体にできるだけ直接花粉がつかないようにするといいでしょう。

家の中に花粉を持ち込ませない!今すぐできる“工夫”とは?

花粉症の対策には、家の中に花粉を持ち込まないための工夫も非常に大切です。

外から家に入ると、知らないうちに花粉を持ち込んでしまうことがあります。家の中でも花粉が飛んでくることがあるため、対策を徹底することが重要です。

医師アドバイス
家の中に花粉を知らないうちに持ち込んでしまうことにも注意が必要です。玄関前で花粉を払う、家に入ったらすぐに着替え、外気に露出した顔などを洗い流すことなど、一つ一つの小さな取り組みが役立ちます。

さらに、この時期、特に花粉症の症状がひどい方には、洗濯物を屋外ではなく屋内に干すことをおすすめします。屋外に干すと、花粉が付着しやすく、室内に持ち込まれる可能性が高くなります。屋内に干すことで、花粉の影響を最小限に抑えることができます。

適切な花粉症対策で、快適に過ごしましょう!

花粉症対策には、薬に頼るだけでなく、日常生活の工夫も欠かせません。食事ではプロバイオティクスを意識的に摂取し、生活習慣では衣服の選び方や室内環境の整備に気を付けることで、症状の軽減が期待できます。今年の花粉シーズンも、適切な対策を取り入れながら快適に過ごしましょう。


監修:医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院
草ヶ谷 英樹先生

総合内科・呼吸器内科・アレルギーの専門医。長引く咳・喘息・肺気腫・睡眠時無呼吸症候群・アレルギーなど、専門的な診療を提供すべく日々奮闘しています。「静岡の呼吸器なら草ヶ谷医院」と呼ばれるよう、医療の質はもちろん、スタッフの接遇やおもてなしの向上にも意識して取り組んでいます。スタッフが心身ともに充実し、満たされた気持ちで働ける環境を目指し、定期的な勉強会や講習会を実施し、院内外の活動への参加も支援しています。