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医師「鼓膜が破れることも」→『花粉症』対策の落とし穴… 間違った行動が招く“衝撃のリスク”とは?【専門医が解説】

  • 2025.3.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

花粉症は、春や秋に空気中の花粉が増えることで引き起こされるアレルギー反応で、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れます。花粉が飛ぶ時期、特に鼻水がひどくなることが多く、つい鼻をかんだり、すすったりすることがあるかもしれません。しかし、鼻をかむ際に気をつけないと、耳や鼻にトラブルを引き起こすことがあります。花粉症の症状を楽にするためには、鼻を正しくかむことがとても大切です。この記事では、花粉症のときに鼻をかむ正しい方法や、鼻をかんだ後に気をつけるべきケアについて説明します!

つらい花粉症の症状…「正しい鼻かみ方」はあるの?

鼻をかむことは、花粉症の時期には特に大切ですが、実は正しいやり方があることをご存知でしょうか?鼻をかむときに特に気をつけたいポイントは「片方ずつかむ」と「強くかみすぎないこと」です。

1.強くかみすぎない
鼻をかむときに力を入れすぎると、耳の奥に圧力がかかり耳が痛くなったり、 鼓膜が破れることも。特に花粉症のように鼻水が多くなる時期は、鼻を強くかみすぎると耳や鼻に負担がかかりますので、優しくかむことが大切です。
2.口から息を吸う
鼻をかむ前に口から息を吸っておくと、鼻水を押し出しやすくなります。鼻をかむ時に力を入れすぎないように、ゆっくりと小刻みにかむことを意識しましょう。

鼻水が出るのは、体が花粉やホコリなどの異物を外に出そうとしているからです。もし鼻をかまずにすすってしまうと、耳や中耳に悪影響を与えてしまうことがあります。特に花粉症のときは、鼻水が増えるので、正しく鼻をかむことが大切です。鼻水をすすってしまうと、耳管を通じて耳にも影響を与え、中耳炎などを引き起こすこともあるので注意が必要です。

花粉時期の「鼻のケア方法」とは?

花粉症の時期に鼻を守るためには、次のようなケアが有効です。

1.鼻の洗浄
花粉やホコリをしっかり洗い流すために、市販の生理食塩水を使って鼻の中をきれいにしましょう。水道水は粘膜を傷つけることがあるので注意が必要です。
2.鼻の粘膜の保護
何度も鼻をかむと、鼻の周りが荒れてしまうことがあります。そんな時は白色ワセリンを塗ったり、保湿ティッシュを使うと良いです。
3.室内の加湿
空気が乾燥すると鼻の粘膜が弱くなり、花粉症の症状が悪化します。加湿器を使ったり、マスクを使って乾燥を防ぎましょう。
4.マスク・メガネ
マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。マスクをつけることで鼻の症状が軽くなり、花粉を防ぐ効果が期待できますが、マスクをしていても完全防備にはならないので過信は禁物です。

“正しい鼻のかみ方”知っていますか?

花粉やホコリなどの異物が鼻に入ると、体はそれらを外に出そうとして鼻水が出ます。また、ウイルスや細菌に感染すると、鼻水が膿を含んでドロっとした状態になることがあります。鼻水が出たとき、すすって鼻に戻さずに、しっかりと鼻をかんで外に出すことが大切です。その際、正しい鼻かみ方を心がけましょう。間違ったかみ方をすると、鼻血が出たり、耳が痛くなったり、最悪、気管支炎や肺炎に繋がることもあります。鼻水はうっとうしいものですが、正しい方法でしっかり出すことで、楽に過ごせますよ。

<正しい鼻のかみ方>
1.片方ずつかむ
片方の鼻をしっかり押さえて、もう片方の鼻をかみます。これで効率よく鼻水を出すことができます。
2.鼻をかむ時は口から息を吸う
鼻水を押し出すために、まず口から大きく息を吸い込みます。これで鼻をかみやすくなります。
3.ゆっくり、小刻みにかむ
焦らずに、少しずつ確実にかむことが大切です。無理に強くかむと、耳や鼻に負担がかかります。
4.強くかみすぎない
鼻が詰まっていても、一度に力を入れすぎず、少しずつかむようにしましょう。

鼻をかみ終わった後、手鏡を鼻のすぐ下に鼻の穴と水平になるように当て、鼻から息を「フンッ」と吹き出します。鼻水が残っていれば、鏡に鼻水がつきます。上手にかめているほど、鏡が鼻息で曇る範囲が広くなります。

<NGな鼻のかみ方>
1.力まかせにかむ
強く鼻をかむと、鼻血が出たり、耳が痛くなったりすることがあります。力を入れすぎないようにしましょう。
2.両方の鼻を一度にかむ
両方の鼻を同時にかむと、細菌やウイルスが鼻の奥に押し込まれ、副鼻腔炎になることがあります。片方ずつかむようにしましょう。
3.中途半端にかむ
鼻がうまくかめない小さな子どもの場合、残った鼻水の中で細菌が増え、気管支炎や肺炎の原因になることがあります。しっかりかむことが大切です。
4.鼻をほる
鼻くそを無理に取ろうとすると、鼻の粘膜を傷つけて鼻血が出ることがあります。また、細菌が入って感染することもあるので、鼻をほらないようにしましょう。

鼻水をすすると、細菌のついた鼻水が鼻の奥に入ったり、耳にまで達して中耳炎をおこすこともあります。鼻水はすすらずに、きちんとかんで外に出しましょう。

また、鼻をかみすぎると、鼻の下がかさかさになったり、痛みが出たりすることがあります。これを防ぐためには、やわらかいティッシュを使い、鼻の下を清潔に保つことが大切です。かさかさ・ヒリヒリが気になるからといって、鼻の下をなめたり指でこすらないようにしましょう。もしひどくなる前に、早めに医師に相談してみてください。

効果的な鼻のかみ方で、花粉の時期を快適に!

花粉症の症状が悪化する前に、鼻を正しくかむことが非常に大切。正しいかみ方として、片鼻ずつかみ、強くかみすぎないことが重要です。花粉症による鼻水を放置すると、中耳炎や滲出性中耳炎の原因となるため、適切なケアが必要です。また、鼻水をかんだ後は、清潔に保ち、鼻の下の荒れを防ぐために保湿ティッシュを使うなどの工夫をしましょう。さらに、マスクやメガネを使って花粉の吸入を減らし、室内の加湿を心がけることも、花粉症の予防や症状の軽減に効果的です。


監修:医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院
草ヶ谷 英樹先生

総合内科・呼吸器内科・アレルギーの専門医。長引く咳・喘息・肺気腫・睡眠時無呼吸症候群・アレルギーなど、専門的な診療を提供すべく日々奮闘しています。「静岡の呼吸器なら草ヶ谷医院」と呼ばれるよう、医療の質はもちろん、スタッフの接遇やおもてなしの向上にも意識して取り組んでいます。スタッフが心身ともに充実し、満たされた気持ちで働ける環境を目指し、定期的な勉強会や講習会を実施し、院内外の活動への参加も支援しています。