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更年期で『痩せる人』『太る人』の驚くべき違いって?!→ 更年期太りの落とし穴…“注意すべき習慣”とは?【専門医が解説】

  • 2025.2.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

更年期に入ると、体調が大きく変化し、体重の増減に悩む方も多いはず。今回は、更年期に体重が増えたり減ったりする原因を解説していきます。実際にどうやって体重を管理すればいいのか、医師からのアドバイスをもとに実践的な方法を紹介します。ホルモンの影響や食事、運動、さらには呼吸法まで、できることから少しずつ始められるように説明します。

「更年期で体重が増えた…」一体なぜ?!

更年期に入り、「なんだか体重が増えやすくなった…」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。その一番大きな原因は、ホルモンバランスの変化です。特に女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少することで、基礎代謝が低下し、脂肪が溜まりやすくなります。

医師コメント
運動習慣が無くて、筋肉量が少ない女性は女性ホルモンの低下とともに基礎代謝は落ちます。運動しない50歳女性の基礎代謝は小学3年生の女の子とほぼ一緒と言われています。小学3年生の頃より食べていたら摂取カロリーオーバーで体重は増えてくはずです。筋肉をつけて基礎代謝を上げるか、食べる量を減らして摂取カロリーを抑えれば体重は維持できるはずです。

医師によると、運動をしない50代の女性の基礎代謝は、小学3年生の女の子とほぼ同じなのだとか。つまり、今まで通り食べていると、カロリーオーバーになりやすく体重が増えてしまう…という現象が起こってしまいます。

しかし、筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がるため、普段の生活でもエネルギーを消費しやすくなります。筋トレと聞くと大変そうに感じるかもしれませんが、ウォーキングや軽いストレッチから、少しずつ体を動かすことが大切です。

特に気になる"お腹周りの脂肪”… お腹につく理由と対応策は?

更年期太りの中でも、「お腹周りに脂肪がつきやすくなった…」と感じる方も多いですが、これにもちゃんとした理由があります。実は、ホルモンの影響運動不足が大きな要因です。

女性は、第二次性徴を迎えて乳房が発達し、お尻周りに肉付くように女性ホルモンは女性らしい体のラインに関係しています。元々女性は男性よりも、腰回りお腹周りに脂肪がつきやすいのですが、特に更年期でお腹周りに脂肪がつく1番の理由は運動不足だと医師は語ります。歩くことが減ったり、座りっぱなしが続いたりすると、お腹周りの筋肉が使われなくなり、脂肪がつきやすくなります。体を動かす機会が減ると、体がエネルギーを消費しにくくなり、脂肪をため込みやすくなってしまいます。

医師アドバイス
日常生活で歩くことが少ない方が本当に多いです。そして、重要なのは呼吸です。一日二万回の呼吸では、丹田を意識した腹式呼吸ならお腹や胸の筋肉をしっかり使うのでそれだけで太りにくい体作りができると思います。肩こりや頭痛などのよくある更年期症状から不安感や、太りやすいことまでシンプルに呼吸を意識するだけで改善するポイントがあります。

そして、意外かもしれませんが、呼吸法を改善することで体重管理に役立つこともあるそう。実は、腹式呼吸を意識するだけでも、脂肪燃焼をサポートすることができるんです。

腹式呼吸は、普段の浅い呼吸とは違って、お腹を使って深く呼吸することです。これを意識するだけで、お腹の筋肉を動かすことができ、脂肪燃焼に効果的です。さらに、呼吸法を整えることでリラックスでき、ストレスや不安感の軽減にもつながります。

呼吸が浅いと、体に必要な酸素がうまく取り込めず、エネルギー消費が落ちてしまうこともあります。深い呼吸をすることで、代謝が促進されるので、体重管理の一環として意識してみると良いかもしれません。

更年期の体重管理…成功するための食事と運動で気をつけることは?

更年期に入ったら、体重管理に気を使いたいところですが、そのために一番大切なのは、食事と運動のバランスです。食事については、ただカロリーを減らすだけではなく、栄養素にも注目しましょう。特に、筋肉を維持するためにタンパク質をしっかり摂ることが大事です。

肉や魚、卵などの動物性タンパク質をしっかり摂ることで、筋肉量の低下を防げます。また、腸内環境を整えるために、納豆やヨーグルトなどの発酵食品も効果的。無理せず、毎食少しずつ取り入れてみましょう。

医師アドバイス
摂取カロリーだけで食事を考えるのではなくて、ぜひ栄養素で考えてほしいです。筋肉量が減ってくることも考慮してしっかりとしたタンパク質摂取が第一です。お肉お魚をできたら毎食、胃腸を整えるための日本ならではの発酵食品、一人でも無理なく始めて、そして継続できるウォーキングやヨガなどの全身の有酸素運動は、メノポハンドを中心とした節々の痛みの軽減にも効果的です。

運動面では、ウォーキングヨガなど、全身を使う有酸素運動が特に効果的です。ウォーキングは特に気軽に始められて、続けやすいのでおすすめです。さらに、ヨガは体をリラックスさせる効果もあるので、心身ともに健康を保ちながら体重管理ができます。

更年期の体重増加は、適度な食事と運動で簡単に対策可能!

更年期に入ると、体調や体型に変化が現れやすく、特に体重管理に悩むこともありますが、ホルモンバランスや運動不足、食事の見直しで十分に改善できます。大切なのは、少しずつ自分の体と向き合い、生活習慣を見直していくことです。

筋肉量を増やすことで基礎代謝をアップし、食事で栄養素を意識し、運動を取り入れることが体重管理を成功させるカギです。呼吸法も意識することで、体の調子が整い、ストレスも軽減されるので、心身ともに健康を保ちながら、より快適な更年期を迎えることができます。少しずつでもできることを始めてみて、無理なく続けていきましょう。


監修医:沢岻美奈子女性医療クリニック理事長 沢岻美奈子先生

産婦人科専門医・女性ヘルスケア認定医。医療法人・沢岻美奈子女性医療クリニック理事長。神戸市内のクリニックにて「更年期で悩む女性を元気にしたい!」という思いで診療を行っている。幅広い世代の女性のかかりつけ婦人科医として、クリニックを受診する患者さんのリアルな声をインスタグラム「375taxi」やpodcast「女性と更年期の話」でも配信している。