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あと1話で回収できるか?【最終回直前・NHKドラマ】依然として残る大きな謎、すべての伏線が回収されるラスト前に考察

  • 2025.3.3

ドラマ『東京サラダボウル』もついに最終回直前の第8話が2月25日(火)に放送された。今回は、織田(中村蒼)の過去と死の真相が少しずつ明らかになり、阿川(三上博史)の謎めいた行動がさらなる波紋を呼んだ。織田はなぜ自ら命を絶ったのか?阿川は本当に“悪”なのか?コインランドリーで洗濯物を見つめていた織田の言葉の意味とは。終盤に向け、物語が加速する第8話を振り返りながら、最終回に向けた考察をしていく。

織田の死の真相……彼は何を抱えていたのか?

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『東京サラダボウル』2月25日放送(C)NHK

『東京サラダボウル』8話では、織田(中村蒼)の過去、そして死の真相がこれまで以上に深く掘り下げられた。阿川(三上博史)のかつての相棒だった織田は、監察から「阿川の通訳に疑念がある」と告げられ、内偵を依頼される。しかし織田は、この事実を有木野(松田龍平)には打ち明けられなかった。そして最終的に、彼は自ら命を絶ってしまう。

だが、果たして本当に「自死」だったのか?

印象的だったのは、コインランドリーで洗濯物がまわる様子をじっと見つめる織田の姿。「昔から洗濯物がまわってるのを見るのが好きなんだ。落ち着くし、自分の気持ちを整理できるんだよ」と語る彼の言葉から考えると、織田はこのときすでに“ある決心”を固めていた可能性がある。有木野に迷惑をかけず、自分の問題は自分で解決しようとしていたのではないか。

さらに、織田の「了はいつも寂しそうな顔をしてたから、せめてお前が笑って孤独を癒せるように、俺は隣を歩きたかった。これから先も一緒に。でも、多分俺じゃダメなんだよな」というセリフが、さらに深い彼の決意を示唆しているようにも思える。この言葉は、ただの別れの言葉ではなかった。“決別”の意味さえ含んでいたのではないか。

しかし、依然として謎が残る。阿川は織田に何を言ったのか? それが原因で彼が命を絶ったのだとしたら、阿川の意図は何だったのか? そして、織田の死が本当に自死だったのか、それとも他に要因があったのかも闇の中。すべての真相が明らかになるのは、最終回しかない。

阿川は悪なのか?

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『東京サラダボウル』2月25日放送(C)NHK

阿川の行動は、見方によっては不可解だ。過去の彼は、確実に何らかの意図を持って訳を捻じ曲げている。おそらくボランティアと呼ばれる青年(絃瀬聡一)とつながっており、お互いに利益の出る形で共謀していた事実は間違いない。

しかし、ここまで考えて疑問が生まれる。彼がなぜ今になって国際課に戻ってきたのか、という点だ。阿川は本当に“悪”なのか?

すべてを曝されたあとの阿川は、織田に対して何を語ったのか。もし、彼の言葉によって織田が自死を選んだのだとしたら、その内容が決定的なカギになる。一つの可能性として挙げられるのが、有木野に対する“脅し”だ。有木野が作成した、阿川の誤訳を指摘する報告書の存在。それが周囲に知られれば、警察内で居づらくなってしまう。阿川はその事実を利用し、織田に何かを強要したのではないか。

あるいは、阿川が有木野と織田の関係を知っており、それを暴露すると脅した可能性もある。織田が自死を選ぶほどの何かがあったとすれば、彼がもっとも大切にしていたもの……有木野の存在が脅かされたと考えるのが自然だ。

しかし、阿川が単なる“悪”だと断定するには、決定打が足りないようにも思える。彼はボランティアの会合場所を突き止めようとしていた。この行動は、彼がただの利己的な人物ではなく、何かしらの贖罪をしようとしている可能性を示している。

阿川の真意がどこにあるのか、最終回での決着が待たれる。そして、彼の行動が織田の死とどう絡んでくるのか。すべての伏線が回収されるラストを前に、8話はその鍵を散りばめる重要なエピソードだった。SNSでは「終わっちゃうの寂しい」「唯一、見逃したくないドラマ」「1番ハマってる」と大絶賛が続いている。あと1話で回収できるのか? という懸念もあるが、楽しみに待ちたい。



ドラマ10『東京サラダボウル』 毎週火曜よる10時放送
NHKプラスで見逃し配信中

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_