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NHKでもおなじみの立て役者に“絶賛”の声続出!今週の“名演技”にSNSでも「離脱しなくてよかった」

  • 2025.2.21

NHK朝の連続テレビ小説には、代々、主人公以外のキーキャラクターが存在してきた。直近で例を挙げるなら『虎に翼』では桂場等一郎(松山ケンイチ)、『ブギウギ』なら茨田りつ子(菊地凛子)あたりだろうか。その系譜にならうと『おむすび』のキーキャラクターは主人公・結(橋本環奈)の父・聖人(北村有起哉)になるだろう。彼がステージ2の胃がんであることが発覚した第20週「生きるって何なん?」に対し、視聴者から「途中で離脱しなくてよかった」「北村さんのために観てる」と彼の演技を絶賛する声が集まっている。

胃がんが発覚した結の父・聖人

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『おむすび』第20週(C)NHK

朝ドラにおいて、登場人物の誰かが大きな怪我や病気を患う……いわゆる“死亡フラグ”に陥る展開はよく見られる。とりわけ主人公の両親や兄弟、親戚関係に多い。

『おむすび』では主に主人公・結の成長が描き出されており、結や姉の歩(仲里依紗)の友人だった真紀(大島美優)が震災で命を落とす描写はあったものの、米田家の誰かが危うい状況に直面することはなかった。

しかし、ついに結にも試練が訪れる。父・聖人がステージ2の胃がんであることが発覚したのだ。長らく聖人は人間ドックの結果を家族に隠し、「ただの風邪」と口にして、体調が悪化し続けていることを秘密にしていた。

手術前の結と聖人のやりとりで「手術が終わったら、家族みんなで糸島に行きたい」と話すシーンがあり、SNS上では「フラグにしか聞こえないからやめて……」と悲痛な叫びもあがったが、幸いにもステージ2と軽度の状態だったこともあり、手術で根治に成功。重い病気かもしれない、と不安に揺れたり、万一のために娘たちが働いている様子を見守ったりする聖人には、多くの視聴者が心を寄せたに違いない。

聖人の“愛らしい父親”像

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『おむすび』第20週(C)NHK

聖人は、最初こそ歩の行動にやいのやいのと文句を言ったり、ギャルの友達と仲良くする結を過剰に心配して見せたりと、典型的な“過保護親父”っぷりを見せていた。

しかし、妻であり、結たちにとっては母である愛子(麻生久美子)の存在もあり、少しずつ家族と本音で向き合うことを覚えた聖人。お酒の力を借りないと本心を口にできなかったり、一人で勝手に思い込んで暴走したりする面はあれど、どこか“愛らしい父親”像を築き上げられているのは俳優・北村有起哉の力量によるところが大きい。

実際のところ、SNS上でも「途中で離脱しなくてよかった」「北村さんのために観てる」という声も多い。

北村有起哉は、大河ドラマ『八重の桜』(2013)や『西郷どん』(2018)をはじめ、朝ドラでも『わろてんか』(2017)や『エール』(2020)に出演してきた、NHKと縁の深い俳優だ。まさにバイプレイヤーとして数多の作品を支えてきた北村にとって、地上波ドラマでもっとも印象深いキャラクターとしては『アンナチュラル』(2018)の不穏な記者役・宍戸理一が浮かぶだろう。

どんな作品や役柄にもピタリとハマる彼の力量は、視聴率の面を含め厳しい声も聞かれる『おむすび』をしっかり盛り上げてくれている。

NHK 連続テレビ小説『おむすび』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHKプラスで見逃し配信中



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_