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「あと2話しかないの信じられない」「キャパオーバー」話題の【NHKドラマ】“謎が謎を呼ぶ展開”に悲痛の声

  • 2025.2.25

『東京サラダボウル』7話を語るうえで外せないのは、やはり阿川(三上博史)の存在だろう。SNS上でも「三上博史、全然変わってない!」「イ・ソンミンに似てる」「『スワロウテイル』のヒオ・フェイホンじゃん……」と言及が止まらない。鴻田(奈緒)の相棒となった阿川は独自のやり方で捜査を進めていくが、有木野(松田龍平)や彼と亡き恋人・織田(中村蒼)の過去に深く関わっていることが判明。最終回に向け、阿川は有木野や鴻田の関係性にどう影響するのか。

阿川の登場で揺れる有木野……織田の死の真相は?

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『東京サラダボウル』2月18日放送(C)NHK

6話の終盤で存在をチラつかせ、ついに7話で姿を現した阿川。唐突に登場したように思えるが、彼は鴻田が所属する東新宿署国際捜査係に新しく加わることになった警部補で、有木野や織田の過去とも深く関わる人物だった。

有木野が阿川を毛嫌いし、鴻田に対しても「あいつのことは信じないでください」などと忠告するのは、阿川が織田の死に関連しているから。阿川と織田はかつての相棒同士であり、有木野が情報漏洩を疑われ捜査の前線から外されるきっかけとなった、4年前の“誤訳事件”を担当した刑事でもあった。

この誤訳事件は、本作を貫く謎の一つだった。元は刑事だった有木野が、なぜ通訳者になっているのか。情報漏洩に加担したとは思えないのに、黙って罪を被っているのはなぜなのか。その謎を一気に解く鍵が、織田の死と、それに関わる阿川の存在だ。

なぜ阿川は国際捜査係に配属され、鴻田と組むことになったのか? 誤訳事件の裏ではどんな思惑が動いているのか? 阿川に対し、白黒をハッキリつけられないのは、彼がボランティア(絃瀬聡一)と呼ばれる人身ブローカーと繋がっていることが示唆されているからでもある。

ボランティアは言っていた。「また一緒に稼ごうよ」と。この発言は意識的にせよ、そうじゃないにせよ、かつて二人は連絡を取り合っていて“金を稼いだ”過去があることを意味する。やはり阿川は裏で手を黒く染めており、彼の策略によって織田は死に追い込まれたのか?

有木野や織田の過去を明らかにするにあたり、阿川の言動がキーポイントとなるのはもちろんのこと、それを第三者的視点で紐解けるのは鴻田しかいない。かつて織田から投げかけられた言葉をきっかけに刑事を志した鴻田が、有木野と関係を深め、過去に肉薄している構図は物語としての妙がある。

有木野と鴻田の関係はどうなる?

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『東京サラダボウル』2月18日放送(C)NHK

最終回に向け、阿川がどう動くか。彼の狙いと思惑によって、有木野と鴻田の関係がどう変化するか。このあたりがポイントとなるだろう。

有木野と鴻田の信頼関係が醸造される様は、これまでの回で丁寧に描かれてきた。鴻田は、有木野が情報漏洩に加担しているなんてありえない、と思うほどに彼を信頼している。そして有木野も、鴻田の人間性を理解しているからこそ、危ない橋=阿川に近づかせないよう、わざと距離を置いている節も見受けられる。

これまでの鴻田の行動力、そして良い意味での“おせっかい”な様子を見ていれば、彼女が阿川の周辺から重要な事実を引っ張ってくるのも時間の問題に思える。阿川とボランティアの繋がりを掴むことさえできれば、有木野が不当に罪を被っていると見られる情報漏洩の問題についても、解決の糸口を探り当てられるのではないか。

こう考えると、すでに有木野がボランティアに接触しているくだりが、巧妙な伏線に思えてくる。有木野自身はそうと認識していないわけだが、過去に何度かあった、有木野とボランティアがバーで話しているシーンも謎を解くポイントになりそうだ。

まさに謎が謎を呼ぶ展開に、SNS上でも「このあとどうなるの?」「もうキャパオーバーだよ……」「あと2話しかないの信じられない」と悲痛な声が挙がっている。作品のクオリティが高いと、自ずと登場人物たちへの愛着もわくものだ。どうか無事に過去の因縁が日の目を見て、有木野と鴻田の関係性が元に戻りますように……との願いは、視聴者全員に共通するはずだ。



ドラマ10『東京サラダボウル』 毎週火曜よる10時放送
NHKプラスで見逃し配信中

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_