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答えは0ではありません…!「55+5×3−55+5×3」→正しく計算できる?

  • 2025.3.5
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算数の問題の中には、工夫次第で計算が楽になるものと、そうでないものがあります。

計算の効率化は答えを出すスピードを上げ、計算ミスを減らすことにつながります。一方で、楽に計算できないか考えすぎて足元をすくわれることもあるので注意してください。

さて、今回の問題、あなたは正しく計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
55+5×3−55+5×3

解答

正解は、「30」です。

0と答えてしまった人は残念ながら間違いです。

次の「ポイント」で、この問題でしてよい工夫と、してはいけない工夫について確認しておきましょう。

ポイント

この問題のポイントは「55+5×3−55+5×3をA−Aの形の式と勘違いしないこと」、そして「交換法則を使って計算の順序を変えること」です。

順番に解説していきますね。

「55+5×3−55+5×3」をA−Aの形の式と勘違いしないこと

この問題の式は、一見「55+5×3」から「55+5×3」を引いているように見えます。引き算の前後が同じ式なので「A−A」と同じ、つまり答えは0だと勘違いした人もいるかもしれません。

しかし、実際に「55+5×3」から「55+5×3」を引いた式というのは次のような形になります。

  55+5×3−(55+5×3)
=55+5×3−555×3

問題の式は「55+5×3−55+5×3」なので、後半の式の55と5の間の符号が異なります。これは、マイナスがついた( )を外す場合、( )の中の正負が入れ替わるためです。

つまり、今回の式は同じ式から同じ式を引いているわけではないので、答えを0にするのは間違いです。

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交換法則を使って計算の順序を変えること

では、この問題で使える正しい工夫を見ていきましょう。

今回の問題は、掛け算・足し算・引き算が混在しています。計算順序のルールでは、掛け算は足し算より先に計算しなくてはなりませんから、まずは次のように計算を進めます。

  55+5×3−55+5×3
=55+15−55+15

足し算と引き算に優先順位に差はないので、あとは左から順に計算すればよいのですが、繰上りや繰り下がりが発生して少し面倒ですね。

そこで、「交換法則」を利用します。交換法則とは、足し算のみ、あるいは掛け算のみの式では、数の順番を交換して計算してもよいという法則のことです。

<交換法則>
〇+▲=▲+〇
〇×▲=▲×〇

今回の式は引き算を含んでいるので、交換法則は使えないように見えますが、−55は+(−55)という足し算の形に変換できます。式を足し算だけにすれば、交換法則が使えるようになるのです。

すると、次のように楽に計算ができます。

  55+15−55+15
=55+15+(−55)+15 ←足し算だけの式にする
=55+(−55)+15+15 ←−55と15の順番を交換法則で入れ替える
=55−55+15+15 ←同じ数どうしの引き算を先にする
=0+15+15
=30

これで繰り上がりも繰り下がりもなく答えを出すことができました。

まとめ

今回の問題のポイント、理解できたでしょうか?

問題の式は一見、同じ式どうしの引き算に見えますが、実際は少し形が違います。よって、答えは0と考えてしまうのは早計です。
一方、この式は引き算が出てくるので交換法則は利用できないように見えます。しかし、足し算の形式に変換することで、交換法則を使えるようになります。

算数や数学の式は見た目の第一印象でだまされることも多いので、しっかり式を観察してから工夫するようにしましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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どうやって計算するか覚えてる?「(8^2)÷2」→正しく計算できる?
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