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工夫して計算してみて!「42×29」→暗算できる?

  • 2025.3.13
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一桁の掛け算は九九で、二桁の掛け算は筆算で答えを出すという人は多いでしょう。しかし、二桁の掛け算でも、工夫次第では暗算が可能な場合があります。

さて、今回の問題、暗算で10秒以内に答えを出すにはどうしたらよいでしょうか?

問題

次の計算を暗算でしなさい。
42×29

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「1218」です。

「10秒以内の計算は難しかった…」「そもそも筆算なしで計算するのは無理」と感じた人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

この問題の暗算方法を詳しく解説していますよ。

ポイント

この問題を暗算で計算するポイントは、「29を30にして計算すること」です。

「42×29」に比べて、「42×30」の計算は簡単です。42に3を掛けた後、一の位に0を付ければよいだけなので、実質的には二桁×一桁の難易度になるからです。

42×29→42×30=1260

これなら暗算も簡単ですね。しかし、29を掛けることと30を掛けることは同じではありませんから、1260という答えは元の問題の答えとは一致しません。

そこで、次のように考えてみましょう。

  42×29
=42×(30−1)

元の式と変形後の式の意味が変わらないように、29を「30−1」で表しました。

ここで、「分配法則」を利用します。

分配法則とは、「二つの数を足してからある数を掛けること」と「二つの数にある数を掛けてから足すこと」は同じであるという法則のことです。

<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■

この法則の基本形は上のような形ですが、( )の中が引き算の場合でもこの式を使うことができます。

〇×(▲■)=〇×▲〇×■

〇を42、▲を30、■を1と考えれば、今回の問題でも分配法則が使えますね。

  42×29
=42×(30−1)
=42×30−42×1 ←分配法則を使う
=1260−42
=1218

分配法則を使うことで、二桁×二桁の問題を二桁×一桁のレベルにできました。

なお、「1260−42」が繰り下がりのある引き算になるため、暗算しづらく感じるかもしれません。そのような場合は、下二桁に注目し「42に何を足したら60になるか」を考えるとよいですよ。

60−42=?
⇔42+?=60

?=18

まとめ

今回の問題では、分配法則を使い、計算を簡単にする暗算方法を紹介しました。

この方法は、掛け算に使われている数が切りのよい数に近い場合に特に有効です。今回は掛ける数の29が30に近かったため、この暗算方法によって計算が簡単になりました。

このケースに当てはまらない掛け算には、また別の工夫を考える必要があります。さまざまな問題に挑戦して、計算の工夫をする練習をしてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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