今回は、小学生でも分かる問題に挑戦しましょう。
一桁のシンプルな数の式で、一見簡単そうに見えるかもしれません。しかし、実際にチャレンジしてみると思わぬ落とし穴にはまってしまうかも…。
注意しながら、計算してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(1+1×2)+2÷2
解答
正解は、「4」です。
3や5と答えた人は、この問題の大事な「ポイント」に気が付けなかったのかもしれません。
そのポイントとは何なのか、気になる人はこのまま読み進めてください。
ポイント
この問題のポイントは、「計算の順序」です。
実は、計算はいつでも式の左から順にしてよいとは限らないのです。計算は、次の「計算順序のルール」に沿って行う必要があります。
<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.( )の中
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左から優先して計算します。
ここで、今回の問題を再確認してみましょう。
(1+1×2)+2÷2
( )が付いているので、ルールに従えばこの中の計算を最優先すべきです。
ここで( )の中を見てみると、足し算と掛け算が含まれているのが分かります。掛け算は足し算より先に計算しなければなりませんから、正しい計算過程は、次のようになります。
(1+1×2)+2÷2 ←( )の中の掛け算からスタート
=(1+2)+2÷2 ←次に( )の中の足し算をする
=3+2÷2
残りは足し算と割り算ですから、割り算を先にするのが正しいですね。
3+2÷2 ←割り算を優先する
=3+1 ←最後に足し算をする
=4
これで答えを出せましたね。
間違いやすい計算順序に注意
この問題では、掛け算と割り算を足し算よりも優先することがとても大事になります。
例えば、( )の中を優先するというルールを覚えていたとしても、次のように計算してしまったらどうでしょうか?
<間違った計算例1>
(1+1×2)+2÷2 ←( )の中の足し算からスタートしてしまっている
=(2×2)+2÷2
=4+2÷2
=4+1
=5 ←誤答!
この計算過程では( )の中を計算する際、「掛け算を足し算より先にする」というルールを無視してしまったために、間違った答えが出てしまいました。
また、次のように計算しても間違いが起きてしまいます。
<間違った計算例2>
(1+1×2)+2÷2 ←( )の中の足し算からスタートしてしまっている
=(2×2)+2÷2
=4+2÷2 ←足し算から先に計算してしまっている
=6÷2
=3 ←誤答!
この二つのパターンでは、( )の中の計算順序も、( )がなくなった後の計算順序もルールに従っていませんね。しかし、途中で計算にできなくなることはなかったと思います。
「間違った計算例1」「間違った計算例2」どちらの場合でも、問題なく計算を進められるので、正しい答えを出したように錯覚しがちです。その分、間違いに気が付かなかった人も多かったかもしれませんね。
まとめ
今回の問題は単純な数の計算ながら、掛け算と割り算を足し算より優先するというルールを徹底できないと、簡単に間違えてしまうので要注意です。
このルールは( )の中の計算順序にも適用されます。( )の中を優先して計算することにばかりに目が行っていると、( )の中の計算順序を間違えてしまうことがあるので気を付けましょう。
計算順序のルールに慣れるためにも、さまざまな問題にチャレンジしてみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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