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『南海トラフ地震臨時情報』が発表されたら 政府が教える“見極め方”と“備えるべきもの”とは

  • 2025.2.20

 

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

南海トラフ地震とは、東海地方から九州地方の太平洋側に位置するプレートを震源域として引き起こされる大規模地震。

100~150年間隔で起こっており、今後30年以内に発生する可能性は80%程度とのこと…。2024年8月には初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。

実際に「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたとき、どうしたらよいのか迷った人もいるのではないでしょうか。日頃から災害時の行動について考え、備えておけば、混乱を避けることができるかもしれません。

そこで今回は、政府広報オンラインが解説している、「南海トラフ地震臨時情報が発表されたときにすべきこと」をご紹介します。

南海トラフ地震とは?

政府広報オンラインによると、

南海トラフ地震は、静岡県から宮崎県の太平洋沿岸(駿河湾から日向灘)にかけての「南海トラフ」のプレート境界を震源地とする大規模地震です。過去100年から150年間隔で繰り返し発生してきました。過去に発生した南海トラフ地震を振り返ると、広い領域で同時に地震が発生したり、マグニチュード8以上の地震が時間をおいて連続して発生したりしたことが知られています。

とのこと。広範囲に被害が及ぶ可能性のある大規模地震であり、誰にとっても他人事とは言えないようです。

また、南海トラフ地震が発生した場合に、被害が想定されている「南海トラフ地震防災対策推進地域」は、1都2府26県707市町村が指定されているそう。被害は、震度6以上の地震や3mを超える津波などで、地域の方は対策が必須と言えるのではないでしょうか。

まずは、お住まいの地域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」であるかどうかを知っておくことが大切ですね。

「南海トラフ地震臨時情報」とは?

「南海トラフ地震臨時情報」とは、南海トラフ地震が発生する可能性が、普段より高まっていると評価された場合に発表されます。住民、自治体、企業などが、防災対応をとるために、2019年5月から運用が開始されました。

「南海トラフ地震臨時情報」は、「調査中」「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の4つの分類で評価されるようです。

想定震源域またはその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合、気象庁が南海トラフ地震との関連性を調査します。その際に発表される分類が「調査中」です。調査結果により、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」が発表されます。

とくに「巨大地震警戒」では、万が一に備えた対策をする必要があります。

「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたらすべきこと

それでは、実際に「南海トラフ地震臨時情報」が出されたとき、私たちは何をするべきなのでしょうか。

「調査中」「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の4つの分類ごとにご紹介します。

「調査中」が発表されたら

南海トラフ地震臨時情報「調査中」が発表されたときは、発生した地震が南海トラフ地震と関係があるのか調査をしている段階です。そのため、すぐに防災行動が求められているわけではないそう…。しかし、最新情報に注意をし、状況に合わせた防災対応の準備をしておくと安心です。

「調査中」と発表されてから、最短2時間程で調査結果が発表されるとのこと。調査結果に従い適切な行動をとる必要があります。

また、津波による浸水被害が起こりやすい地域は「浸水想定区域」に指定されています。津波は到達するスピードが速く、地震発生後の避難では間に合わない可能性もあるそうです。自宅や職場が「浸水想定区域」かどうかを確認しておき、いざというときのために、避難経路などは確認しておきましょう。

「巨大地震警戒」が発表されたら

「巨大地震警戒」が発表されると、対象の地域に自治体から事前避難の呼びかけが行われます。この時すべての住民が対象になる場合と、高齢者など配慮が必要な方が対象となる場合があります。事前避難の対象者は、1週間の事前避難が必要だそうです。

また、事前避難対象地域で活動する事業者は、従業員や利用者の安全を確保し、避難させるなどの措置を取る必要があります。なお、事業を継続しながら危険回避措置を取れれば、事業を継続することは可能だそうです。

政府広報オンラインによると、事前避難の対象者以外は以下の確認をしておきましょう。

安全な避難場所・避難経路の確認
ご家族との連絡手段の確認
家具の固定
非常食などの備蓄の確認など
日頃からの地震への備えを再確認

「巨大地震警戒」の発表から1週間程度で、徐々に日常生活に戻し始めます。その後1週間は再度備えを確認し、すぐ避難できる準備をしておきます。2週間何事もなく経過すると、日常の生活に戻ることができるようです。

しかし油断はせず、地震への備えは継続しておきましょう。

「巨大地震注意」が発表されたら

「巨大地震注意」が発表された場合は、地震への備えを再度確認、すぐに避難できる準備をしておきましょう。いつ地震が起こってもいいよう、非常持ち出し品を携帯したり、すぐに避難できる準備をしておきます。

地震が起こらなければ、発表から1週間を目安に徐々に日常に戻ることができます。

「調査終了」が発表されたら

「調査終了」が発表された場合は、「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」のような対策は必要ありません。しかし、南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくない地震であるため、普段から防災意識を高め、備えておく必要はあります。

事前に備えておくべきこと

政府広報オンラインによると、「南海トラフ地震臨時情報」の目的は、

「後発地震発生への警戒・注意を高め、事前避難などの対策や日頃の備えを再確認することなどにより、実際に南海トラフ地震が発生した場合の被害を軽減すること」

とのこと。日頃から防災活動への意識を高め、災害時の被害を減らせるような行動を心がけたいですね。

まずは「日頃から備える」

・スムーズな避難体制・準備

地域のハザードマップを確認、安全な避難場所・避難経路の確認、家族との連絡手段を決めておく

・室内の対策

窓ガラスの飛散防止対策、タンス類・本棚の転倒対策、上下が分かれた家具の固定、棚の中身の飛び出し・落下対策・引き出しの飛び出し防止対策、高い場所の物をなくす、重い物は下・軽い物は上にし安定性を高める、家具が倒れた場合出入口を塞がないよう位置や角度の確認、家具と寝具を遠ざける、テレビや照明器具の固定、飛び出しや落下を想定した寝具の配置

・出火や延焼の防止対策

漏電遮断器や感震ブレーカーなどの設置、火災報知機の動作・耐用年数・電池残量の確認

・避難生活の備え

水や食料の備蓄の確保、簡易トイレの準備、携帯ラジオや携帯電話の予備バッテリーなどの準備

偽情報・誤情報に注意する

災害時にはSNSを中心に誤った情報やデマが出回る可能性があります。混乱しているときこそ、受け取った情報が「信頼できる情報源か」「その画像は本物か」など、情報の正確性を確認するようにしましょう。嘘の情報を鵜呑みにしたり拡散することで、さらに混乱を招く可能性があるため注意が必要です。

過度な買い占めや買い急ぎは避ける

社会の混乱を最小限にするためにも、食料品や生活必需品の過度な買い占め・買い急ぎは控えましょう。

いつ起こるかわからない大規模地震に日頃から備えておこう!

今回は、政府広報オンラインが解説している、南海トラフ地震臨時情報が発表されたときにすべきことについてご紹介しました。いつ起こるかわからない大規模地震。日頃の備えが、いざというとき自分と家族を守ってくれます。この記事をきっかけに、家の災害備品を一度点検してみてはいかがでしょうか。


出典:「南海トラフ地震に備えよう!南海トラフ地震臨時情報が発表されたら?」(政府広報オンライン)(https://www.gov-online.go.jp/article/202501/entry-7050.html)(最終閲覧日:2025-2-17)