４０代以降の女性に増える『謎の汗』… 実は更年期のサイン？！症状を軽減させる“驚きの方法”とは？【専門医が解説】

2025.2.12

「最近、突然汗が出る」「手がこわばることが増えた」—— そんな症状に心当たりはありませんか？もしかすると、それは更年期のサインかもしれません。更年期は誰にでも訪れるものですが、その症状や重さには個人差があります。「ただの疲れかな？」と見過ごしていると、日常生活に支障をきたすことも。そこで今回は、更年期の代表的な症状、病院を受診する目安、治療による改善効果について、医師に解説していただきました。

典型的な更年期の症状とその期間は？

まず、更年期に現れる代表的な症状について伺いました。

医師コメント
典型的な症状はホットフラッシュです。周りの人はなんともないのに自分だけ暑くて汗が出る、みたいな症状です。最近ではメノポハンド（手の強張り）が増えてきています。

ホットフラッシュは、更年期の典型的な症状であり、多くの女性が経験します。その他にも、最近では「メノポハンド」と呼ばれる手のこわばりを訴える人も増えているそうです。

更年期の症状として、以下のようなものも挙げられます。

自律神経の乱れによる症状
ホットフラッシュ（ほてり・発汗）
のぼせ・寒気
動悸・息切れ
めまい・ふらつき

精神的な症状
イライラ・気分の落ち込み
不安感・焦燥感
不眠・疲れやすさ

筋肉・関節の症状
手指のこわばり（メノポハンド）
肩こり・腰痛
関節の痛み

更年期の症状が現れる時期には個人差がありますが、一般的には45歳～55歳頃がピークとされています。症状の程度も人によって異なり、数年で落ち着く人もいれば、10年以上続くケースもあります。

「もしかしたら更年期かも…」病院を受診する目安は？

「更年期だから仕方ない」「みんな我慢しているはず」と、受診をためらっていませんか？実は、症状がつらいと感じたら、それが病院へ行くサインかもしれません。

医師アドバイス
病院を受診する目安。辛いと思ったら、我慢せず受診をお勧めします。私は他の人より重症じゃないから、と人と比べている方が多いです。更年期は誰でも通り過ぎるので、今を快適にしたい、って思う方には積極的に治療を受けて欲しいです。

「どの程度の症状なら受診するべきか？」と悩む必要はなく、自分がつらいと感じた時点で受診のタイミングなのです。
特に以下のような場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

日常生活に支障が出るほどの症状が続く（仕事や家事ができない、外出が億劫になる）
精神的に不安定になり、抑うつ気分が続く（何もやる気が起きない、突然涙が出る）
不眠や動悸など、身体的な不調が長引く
市販のサプリメントやセルフケアでは改善しない

更年期障害の症状は、内科や婦人科で診てもらえます。更年期専門の外来を設けている病院もあるため、自分に合った医療機関を探してみるのもよいでしょう。

「本当に回復するのか不安」更年期治療を受けると、どのように改善する？

「更年期の症状がつらいけど、治療を受けるとどれくらい楽になるの？」と疑問に思う人も多いでしょう。

医師コメント
ホルモン補充療法や漢方治療が中心ですが、大体どんな症状でも軽減はできると思います。メンタル不調がベースにあるとお薬だけでは限界ですが、カウンセリングや食事の見直しも効果的です。

具体的な治療法として、次のような選択肢があります。

ホルモン補充療法（HRT）
エストロゲンを補うことで、ホットフラッシュや動悸などの症状を緩和
骨粗鬆症の予防にも効果的

漢方治療
体質に合った漢方薬を服用することで、自律神経の乱れを整える
イライラ、不眠、のぼせなど、多様な症状に対応可能

生活習慣の改善
食生活の見直し（大豆製品やカルシウムを積極的に摂取）
適度な運動（ウォーキング、ストレッチなど）
規則正しい生活リズム（睡眠の質を向上させる）

治療を受けることで、更年期特有の不調が軽減され、日常生活の質が向上します。「もっと早く治療を受ければよかった！」と感じる人も多いため、悩んでいる方は一度医師に相談してみましょう。

辛い更年期の症状…少しでも不調を感じたら受診がおすすめ！

更年期の症状は個人差が大きく、「こんなものかな」と思いがちですが、つらいと感じた時点で病院へ行くべきサインです。ホルモン補充療法や漢方治療、生活習慣の見直しを行うことで、症状を軽減し、快適な日常を取り戻せます。

更年期は決して「耐えなければならないもの」ではありません。自分に合った対策を見つけて、心身ともに健やかな毎日を送りましょう！

監修医：沢岻美奈子女性医療クリニック理事長沢岻美奈子先生

産婦人科専門医・女性ヘルスケア認定医。医療法人・沢岻美奈子女性医療クリニック理事長。神戸市内のクリニックにて「更年期で悩む女性を元気にしたい！」という思いで診療を行っている。幅広い世代の女性のかかりつけ婦人科医として、クリニックを受診する患者さんのリアルな声をインスタグラム「375taxi」やpodcast「女性と更年期の話」でも配信している。