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目上の人に『とんでもございません』はNG!? 知らなきゃ恥ずかしい【ビジネス用語の正しい使い方】

  • 2025.2.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ビジネスシーンでは敬語を使うのが基本です。

しかし、正しい敬語であっても、時と場合によっては相手に失礼になってしまうこともあります。
この機会に、ビジネスでよく使われる言い回しを学びましょう。実例付きでご紹介します。

「とんでもございません」は間違った日本語

謙遜して「とんでもありません」「とんでもございません」と言ってしまうことがありますが、実は日本語としては正しくありません。

「とんでもない」は1語の形容詞であり、「とんでも+ない」という2つの語から成り立っているわけではないため、一部を変形させて使うことはできません。

例えば「情けない」を「情けありません」と言うことはまずありません。同じように、「とんでもない」も「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」という形が正解です。

ただし、文化庁が2007年にまとめた「敬語の指針」では、「とんでもございません」は使用する人が非常に多いため、実際には使っても問題ないとされています。しかし、正しい表現ではないため、不快に感じる人がいるかもしれません。

謙遜する場合には、「とんでもございません」ではなく、「恐れ入ります」「恐縮です」などに言い換えるのが無難です。

「~させていただきます」は場合によってOK

「~させていただきます」は「~させてもらう」の謙譲語であり、日本語として間違いではありません。ただし、非常に回りくどい印象を与えるため、間違った表現と感じる人も少なくありません。

文化庁の「敬語の指針」によると、「1.相手の許可を得ている」「2.自分自身が恩恵を受ける」という2つの条件を満たした場合にのみ使用するのが適切とされています。

例えば、「今回のプロジェクトでは、いろいろと勉強させていただきました」は誤用です。勉強することに相手の許可は不要なため、「今回のプロジェクトは、大変勉強になりました」が正しい表現です。

一方、「会議の日程を変更させていただきます」「10年以上前の資料は処分させていただきます」は、相手の許可が必要なため、「させていただきます」を使うのが適切です。

ミスのお詫びに「ご容赦ください」はNG

「ご容赦ください」に含まれる「容赦」とは、「手加減する」「大目に見る」という意味です。つまり、「ご容赦ください」は「大目に見てください」とお願いする表現になります。

そのため、自分のミスや手違いでお詫びをする際に、「ご容赦ください」は絶対NGです。ビジネスシーンでのお詫びの言葉は「申し訳ございません」一択と覚えておきましょう。

「ご容赦ください」が使えるのは、ミスや不手際に対する事前の予防線を張る場合です。例えば、「売り切れの際はご容赦ください」「何かと至らぬ点があるかと思いますが、何卒ご容赦いただけますようお願いいたします」といったケースでは適切です。

「お名前を頂戴します」は間違い

デパートなどでは一般的に使われていますが、相手の名前を尋ねる際に「お名前を頂戴できますか」というのは誤用です。「頂戴する」は「もらう」という意味であるため、「名前をください」と言っていることになってしまいます。

正しい日本語は、「お名前をお教えいただけますか」「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」などです。

ただし、名刺をもらう際に「お名刺を頂戴できますか」というのは正しい表現です。名刺は名前とは異なり、実際に受け取る物だからです。

時代によって日本語は変化する

言葉は時代とともに変化するものです。「とんでもありません」のように、本来は誤用でありながら、多くの人が使うようになったために「使っても問題ない」とされる表現もあります。

「一度覚えたから大丈夫」ではなく、時代の変化に柔軟に対応し、スムーズなコミュニケーションを心がけることが大切です。


ライター:noiz

※本記事の内容は一般的な敬語の使い方に基づいたものですが、業界や企業によって推奨される表現が異なる場合があります。