1. トップ
  2. 難しい役でも見事に演じた“女優の本領” 彼女以外で適任はいないと思う程の“ハマり役”【木曜ドラマ】

難しい役でも見事に演じた“女優の本領” 彼女以外で適任はいないと思う程の“ハマり役”【木曜ドラマ】

  • 2025.9.5

徐々に事件の真相が明らかになりつつある『しあわせな結婚』。ユーモアあふれる会話劇が展開されるなかに、毎話息を飲む真実が明らかになり、目が離せない。『しあわせな結婚』を見進めるうちに、鈴木ネルラ(松たか子)の魅力のバランスの良さに思わず感嘆してしまう。

※以下本文には放送内容が含まれます。

松たか子だから出せるお茶目さとミステリアスさの共存

undefined
『しあわせな結婚』第7話(C)テレビ朝日

『しあわせな結婚』を見始めた時、ネルラをミステリアスな女性と認識した人は多かっただろう。過去の恋人・布勢夕人(玉置玲央)を殺した容疑がかけられていたこともあり、「美しい妻は実は人の命を奪っていた?」というサスペンスの王道と言える展開を期待した人も多かったかもしれない。

何より、松たか子のミステリアスさとお茶目さが共存する魅力から目が離せなくなってしまうのだ。一捻りした言い回しでもっと知りたいと思わせる部分もあれば、クロワッサンの豪快な食べっぷり、寝相の悪さ、思わずキュンとする言葉による素直な愛情表現。主人公・原田幸太郎と共に、ネルラにメロメロになった人が多かったのではないだろうか。

彼女がこれまで演じた『カルテット』の真紀の底の見えなさ、『大豆田とわ子と三人の元夫』のとわ子や映画『ファーストキス 1ST KISS』の硯カンナのような年相応の可愛らしさの両方が楽しめる役柄と言えるだろう。

第7話でネルラが見せた強さ

ネルラへの疑惑は、ネルラが事件当時の記憶を取り戻したことで、無事晴れた。では、別にいるはずの真犯人は誰なのかという方向に話が進んでいく。布勢が殺される前にネルラの弟・レオ(板垣李光人)の誘拐を装い、ネルラの父・寛(段田安則)から金銭を巻き上げようとしていた事件があったため、ネルラは寛が布勢を手にかけたのではないかと疑っていた。しかし、寛はそれを否定。ネルラも寛も犯人ではなかった。

ネルラを追っていた刑事・黒川竜司(杉野遥亮)は、ネルラでも寛でもない第三者と犯人として捜査を進める一方で、第5話では自分が真犯人だと供述する者が警察に自首しにくる。その人物は、ネルラの叔父である鈴木考(岡部たかし)だった。

undefined
『しあわせな結婚』第7話(C)テレビ朝日

第7話では、寛とレオ、ネルラがその事実を受け止めるシーンがあった。慕っていた叔父が真犯人であった事実を寝起きから突きつけられて混乱したまま、考が作っていったおにぎりを前にする3人。食欲が湧かないと視線を下げる2人に、ネルラは「食べましょう」と声をかけ、涙を流すレオを力強く支えながらおにぎりを頬張っていく。

考はレオとネルラにとっては母親同然の存在だ。そして、考が長年事件の真相を隠していたことで、ネルラは警察からしつこく追われていた。戸惑い嘆き、怒り始めてもおかしくない状況だ。それでもネルラは動揺せずに、生きるためにおにぎりを頬張った。絶望しながらも、食事を取る彼女の姿からは、ネルラの強さが垣間見えた。

undefined
『しあわせな結婚』第7話(C)テレビ朝日

第7話の終盤で、ネルラはもう一つ事件の真実につながる記憶を思い出してしまう。そしてその記憶は、ネルラの行動を変えるものになりそうだ。第8話以降は、誰かを守りたいとするネルラの感情が描かれていくだろう。

ミステリアスでお茶目で強い女性。ここまで要素が盛られた現実離れした役柄でありながら、生身の人間として違和感のない存在感を出せるのは、松たか子の手腕によるものだろう。彼女以外で演じられる人はいないのではないかとすら思ってしまう。

物語終盤、ネルラの行動は原田の感情にどんな影響を与えるのか。そして事件の真相と真犯人は誰なのか。最後まで目が離せない。


テレビ朝日系『しあわせな結婚』毎週木曜よる9時
TVerで見逃し配信予定
https://tver.jp/live/simul/le4dymrn4o

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202


【体験談募集】結婚式当日に「ブス子はどこ行った!?」実姉からの罵声の嵐に「コイツは許さん」【2分で完了/匿名OK】