中古マンション『隣人ガチャ』で大ハズレを引かないために“絶対見ておくべき場所”【プロが解説】

多くの人にとって人生で一番大きい買い物であるマイホーム。

せっかく買ったマイホームで「隣人ガチャ（隣人に対するアタリorハズレを意味する造語）」でハズレを引きたくないと誰もが思うものです。とくに壁一枚を挟んで上下左右で部屋が隣接する集合住宅であるマンションは注意が必要です。

しかし、現代では個人情報保護の観点から隣人の詳しい情報を事前に知るのは難しいのが現実。とはいえ、住んでみなければわからないという運任せにするのも不安ですよね。

そこで今回は、10年以上マンション管理の仕事をしている不動産のプロである筆者が、中古マンションの隣人ガチャで“ハズレ”を引く可能性を減らすための住む前にやっておくべき具体的な5つの方法をご紹介します。

すべて実行すれば、隣人ガチャでハズレを回避する確率は大幅にアップします。

誰にでもできる簡単な方法なので、ぜひチェックしてみてください。

隣人ガチャでハズレを引かない5つの方法

隣人ガチャでいわゆる“ブラック住民”と遭遇しないためにハズレを引かないために効果的な手段は以下の5つです。

① 売主に隣人住戸のことを直接聞く
② 仲介会社に売主の売却理由を確認する
③ 仲介会社に近隣住戸の売買履歴を確認する
④ マンションの管理人さんに話を聞く
⑤ 掲示板やゴミ置き場、共用部分を確認する

それぞれ解説します。

マンション見学の際に、売主に隣の住戸や上下階の住民について直接聞いてみましょう。

・「お隣や上下階の方はどのような方が住まわれているか、知っている範囲で教えてください」

・「住民同士で過去にトラブルになったことはないですか？」

これらの質問を通じて、売主の反応や表情から住民の情報を得ることができます。特にトラブルに関する話題には売主が敏感に反応することがあるため、注意深く聞き取りましょう。

仲介会社を通じて、売主が物件を売却する理由を確認します。

•住民トラブルが原因で引っ越しを検討していないか？

•管理費の滞納などが売却理由になっていないか？

ポジティブな理由での売却であれば安心ですが、ネガティブな理由が返ってきた場合は慎重に検討しましょう。

売り出し物件の周辺住戸の売買履歴は、隣人の様子やマンション全体の状況を知るヒントになります。

近隣住戸が頻繁に売りに出されている場合、マンション内で何かしらの問題がある可能性も考えられます。特に、短期間で所有者が何度も変わっている部屋がある場合は、注意が必要です。

マンション管理人さんは、住民の様子やマンション全体の雰囲気をよく知っている頼れる存在です。以下のような質問をしてみましょう。

・「普段の住民の方の雰囲気はどうですか？」

・「住民の方の年齢層はどのくらいですか？」

・「騒音問題などのトラブルは過去にありましたか？」

管理人さんは日頃から住民の行動や人柄に触れているので、思わぬ貴重な情報を教えてくれることも。気軽に話を聞いてみるのがおすすめです。

掲示板やゴミ置き場、共用スペースの状態からも、マンション全体の雰囲気を読み取ることができます。

以下のようなポイントを確認しましょう。

・ゴミ置き場が散らかっていないか

・掲示板にトラブルの告知が貼られていないか

・駐輪場が整然としているか

・玄関前の廊下（共用部）に私物が置かれていないか

共用スペースが整理されていれば安心ですが、乱雑な場合は注意が必要です。住民同士のトラブルが起きやすかったり、管理が不十分で資産価値が下がるリスクも考えられます。購入前にしっかり確認しましょう。

マンションの口コミサイトも有効な情報収集手段の1つです。

住民による口コミや評価を閲覧することで、そのマンションの住民の雰囲気を知ることができます。口コミサイトの情報が全て正しいとは限りませんが、参考程度にチェックしてみるのもおすすめです。

隣人ガチャで完全にハズレを回避するのは難しいですが、今回紹介した5つの方法を実践することで、リスクを大幅に軽減できます。

マンション購入前にしっかりと情報を集め、自分が納得できる物件を選びましょう。隣人との関係が良好であれば、購入後の生活も快適になるはずです。

ライター：卯野景子（うのけいこ）

不動産会社勤務のライター。宅地建物取引士・管理業務主任者の資格を持ち、主に住まいや暮らしに関する記事を執筆。ブログやXでは、働きながら子育てを両立する日々の思いや、生活に役立つ情報を発信中。

※サムネイル画像出典：photoAC（イメージ）