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工夫して計算してみて!「143÷9」→暗算できる?

  • 2025.2.6
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今回は割り算の暗算に挑戦しましょう。

問題文の中でしっかり確認しておきたいところは、9で割る割り算だということです。

実は割る数が9である割り算の商と余りは意外と簡単に求めることが出来ます。

筆算をせずに足し算だけで求めていきますが、計算の仕組みを理解したら9以外の数にも応用できる方法です。じっくり考えてみてください。

問題

次の計算をしなさい。
ただし、割り切れない場合は余りも求めること。
143÷9

ある法則を知っていれば、ほとんど一瞬で答えを出すことが出来ます。

解説

この問題の答えは「15余り8」です。この計算を行うにあたって使用した法則はこちらです。

9で割る割り算(割られる数が三桁の場合)
・商は割られる数の(百の位×11)+(十の位)
・余りは(百の位+十の位+一の位)

この法則に従って商と余りを計算してみましょう。まずは商ですが、登場するのは百の位と十の位ですね。それぞれ1と4なので商は、

1×11+4
=11+4
=15

となります。次に余りも求めてみましょう。余りはそれぞれの位の数を足すことで求められるので

1+4+3
=8

なので、商が15で余りが8となります。

では、どうしてこの簡単な計算だけで割り算を計算できるのでしょうか。割り算の商と余りについての性質をもとに考えてみましょう。

割り算は、

◯÷□=商+余り△

という式で表されることがありますが、◯を主役にすると

◯=□×商+△

とすることが出来ます。

ところで、割られる数◯は三桁の数だとすると自然数a、b、cを用いて100a+10b+cとなります。□に当てはまる数は9なので

100a+10b+c=9×商+△

と出来ます。左辺を右辺の形になるように変形させると

100a+10b+c
=9(11a+b)+(a+b+c)

となります。右辺と左辺をそれぞれ見比べて、商は11a+b、余りはa+b+cということが分かりました。

まとめ

9で割る割り算は公式的に商と余りを計算することが出来ます。

この方法を応用すると、8や7で割った場合の商と余りを求めることも出来ます。もちろん、余りが割る数よりも大きくなってしまってはいけないので、そうなってしまった場合は商を1繰り上げることが必要です。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):うおうお

数学の教員免許を所持。個別指導・集団指導の学習塾で数学の講師として小学生から高校生までの指導や、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深堀して楽しく伝えている。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。


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