大きな数の割り算は、筆算をしたり、電卓を利用して計算をしたりするのではないでしょうか。しかし、条件さえ揃えば暗算で答えを求めることもできます。
この記事では「9で割る計算」を簡単に求める方法を紹介します。ぜひ手順を覚えて活用してみてください。
問題
次の計算をしなさい(商は整数で求め、あまりも出すこと)。
3122÷9
あまりを出さないといけないので、電卓では求めることができません。
まずは、自分自身で答えを出してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「346あまり8」です。
ここではインド式計算法を用いた計算方法を紹介します。
「9で割る計算」に利用できる方法ですが、割られる数のそれぞれの位の和が9以上になると、手順が少し複雑になります。
「3122÷9」の計算では「3+1+2+2=8」で9より小さいので、簡単な計算で求めることができます(9以上になる場合は、後述します)。
「3122÷9」の答えを求めるためには、割られる数(3122)を左から順に1桁、2桁、3桁、4桁と取り出し、それらの数の和をそれぞれ求めます。
(左から1桁) 3
(左から2桁) 3+1 =4
(左から3桁) 3+1+2 =6
(左から4桁) 3+1+2+2 =8
あとは求めた数を順に並べるだけです。ただし、いちばん最後の数は「あまり」になります。
つまり、答えは「346あまり8」です。足し算だけで答えを求めることができましたね。
和が9以上になる場合
先ほどの計算は、各桁の和が9より小さかったので、数を並べるだけで答えを求めることができました。
では、次の問題に挑戦してみましょう。
(問題)
次の計算をしなさい(商は整数で求め、あまりも出すこと)。
5739÷9
こちらも同じような手順で答えを求めることができます。ただし、割られる数のそれぞれの位の和が9以上になるので、単純に数を並べるだけでは答えにはなりません。
どのようにすれば良いのか確認してみましょう。
(左から1桁) 5
(左から2桁) 5+7 =12
(左から3桁) 5+7+3 =15
(左から4桁) 5+7+3+9 =24
ここまでは先ほどの手順と同じです。
ここで、いちばん最後の数(24)を9で割ります。この9で割ったあまりが、元の計算のあまりです。
また、9で割ったとき商は一つ上の位(左から三桁の合計)に足します。そして、足した結果の一の位がその桁の数となり、十の位はさらに上の位(左から2桁の合計)へ足すということを繰り返します。
これによって得られた「637あまり6」が答えとなります。
まとめ
今回は「9で割る計算」を簡単に求める方法を紹介しました。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、計算の手順さえ覚えてしまえば、筆算の計算をするより簡単に計算できるかもしれません。
当メディアでは、この他にも計算を簡単にするさまざまな工夫を紹介しています。ぜひ他の問題にも挑戦してみましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
類似問題に挑戦!