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2000人規模のオーディション…“まさかの名作”にも出演していた俳優が抜擢!“巧みな演技力”に注目【新夏ドラマ】

  • 2025.7.9

夏ドラマの放送予定が出揃うなか、いち早く話題を集めているのが、『ちはやふる-めぐり-』だ。2018年に公開された実写映画『ちはやふる-結び-』から10年後の世界で、原作のない完全オリジナルストーリーが描かれる。『ちはやふる』シリーズが持つ話題性も去ることながら、2000人規模のオーディションで決定された今をときめく若手俳優にも注目が集まっている。

各高校の特色が見える新キャストたち

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(C)SANKEI

主人公・藍沢めぐるを演じるのは、當真あみ。めぐるは、ある理由から青春を諦めて生きており、競技カルタ部の幽霊部員だった。めぐるが所属する梅園高校競技カルタ部には、他にも怪我で休むこととなったアマチュアボクサーの白野風希(齋藤潤)、野球一筋だったがある理由で挫折した村田千江莉(嵐莉菜)、かるた一家に生まれたことでコンプレックスを感じている奥山春馬(高村佳偉人)など、目標を見失ったり、家族との関係で好きなように生きにくくなっているメンバーがいる。最初からかるたが大好きというよりは、かるたを通して何かを掴んでいくメンバーになることだろう。

原作と実写の舞台になっている瑞沢高校は、かるた強豪校に成長。すでにかるたが好きで、知識もあり、実力もあるメンバーが揃っている。また、顧問を務めるのは、実写映画の主人公である綾瀬千早(広瀬すず)。ドラマの世界では、現クイーンの座にいるようだ。月浦凪(原菜乃華)や折江懸心(藤原大祐)などは、次期クイーン・名人候補と呼ばれているようだ。予告映像などからも、強いかるたをとっているという自信がうかがえる。梅園に立ちはだかる強力なライバルになることだろう。

原作と実写映画では、瑞沢高校の前に立ちはだかった北央学園も、変わらず強豪校のようだ。中高一貫の男子校である北央学園はキャラクターが強く、新キャストたちも男らしさの強い俳優が揃っている。実写映画では、当時の主将だった須藤暁人(清水尋也)のドSっぷりや体育会系な様子にユーモアさがあったが、現在はどのような雰囲気の高校になっているのか楽しみだ。梅園高校との対戦の中で見えてくることだろう。

3校の設定を見ているとドラマオリジナル作品であろうと、原作や映画と変わらないかるたを通した青春を見せてくれるのだろうと、期待が大きくなる。実写映画キャストがそうであったように、今回のドラマに出演した俳優が数年後俳優として大成していくこともあり得るだろう。

『カラオケ行こ!』俳優、初のスポ根ものに挑戦

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(C)SANKEI

當真あみや山時聡真、原菜乃華などすでに映画ドラマへ出演し、知名度の高い俳優陣の中でも筆者が注目しているのは、齋藤潤だ。

齋藤は映画『カラオケ行こ!』で主人公・岡聡実を演じて以降、数々の話題作に出演してきた。映画『からかい上手の高木さん』では、周りから寄せられる恋心に悩む男子中学生・町田涼を演じ、12年ぶりの再始動となった踊る大捜査線シリーズ『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』では、殺人被害者の息子であり、室井に育てられている高校生・森貴仁を演じた。どちらも思春期の等身大の悩みに直面し、葛藤しながらも、しっかりと前を見据えて成長していく役柄だ。キャラクターの中にある言葉にできない悩みや苛立ちが、ふとした表情や仕草の粗雑さから伝わってくる。

はじめての時代劇となった『あきない世傳 金と銀2』では所作指導を受けて芝居に臨んだ齋藤だが、『ちはやふる-めぐり-』では、かるた指導だけでなく、ボクシング指導も受けての挑戦となる。芝居の幅を広げつつ、さまざまな面から芝居に取り組む姿が見られるだろう。

齋藤がこれまで出演した映画ドラマの中には、いわゆる青春スポ根ものというジャンルはなかった。さまざまな事情で学校に行けなくなっていたり、別のものに熱中していたりと、仲間と共に何かに向かって頑張るという役柄を演じたことがない。

等身大の葛藤を表現するのが巧みな彼だからこそ魅せられる青春の姿があるのではないだろうか。『ちはやふる-めぐり-』が齋藤にとってこれまで見せたことがない芝居を魅せる機会になることを願いたい。


ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202