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【タワマン】真の勝ち組は『2階』なのか プロが解説するタワマン2階の“推しポイント”

  • 2025.1.28
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写真:photoAC(イメージ)

首都圏では中古物件でも“億超え”が当たり前となっている「タワーマンション(以下タワマン)」。

購入者にとっては戸建てや低層階のマンションでは味わえない高層階からの眺望が大きな魅力の1つとされています。

しかし、その一方で「タワマンの低層階に住む」という選択肢が注目されています。最近では、高層階とは異なる実用的なメリットを持つ住まいの選択として支持を集めています。

この記事では、タワマンの低層階、特に「2階」に住むことの魅力や注意点、さらにどのような人に向いているのかを不動産のプロである筆者が解説します。

眺望やタワマン高層階住まいというステータスよりも、生活の実用性を重視した暮らしを優先する方はぜひ参考にしてください。

タワマンの2階をプロがおすすめする「4つの理由」

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写真:photoAC(イメージ)

タワマンの2階に住むことは、高層階のような眺望やステータスを求める人には物足りないかもしれません。しかし、低層階の暮らしには日常生活を快適にする多くのメリットがあります。

ここでは、エレベーターへの依存度の低さやコスト面の魅力、災害時の安全性など2階特有の4つの利点を解説します。

エレベーターに依存しにくい

タワマンの高層階ではエレベーターの利用が必須となりますが、2階であればそうではありません。余裕で階段で上り下りすることができ生活できます。

このことは日常生活の中で多くの利便性をもたらします。通勤や退勤、買い物の際にエレベーターを待つ時間が大幅に短縮され、こういったエレベーター混雑時や定期的なメンテナンス時でもストレスを感じることがありません。ペットの散歩や幼い子どもを連れての外出も気軽に行えるため、外出のハードルが下がるのが魅力といえるでしょう。

物件価格や家賃が安い

タワマンでは、一般的に階層が高くなるほど物件価格や家賃が上昇します。眺望や採光といった付加価値が高層階に集中するため、2階のような低層階は割安になる傾向があるのです。

例えば東京都港区の39階建ての物件では、16階の1LDKが家賃31.3万円、管理費・共益費1.5万円の計32.8万円であるのに対し、4階の1LDKは家賃30.5万円、管理費・共益費1万円の計31.5万円と価格差が見られます(※)。

※参考:SUUMO 「タワマン低層階に住む人は、どんなメリットが得られる?賃貸の家賃についても解説」」

広さや設備が同等であれば、低層階のほうがコストパフォーマンスが良いといえます。予算を抑えたい人にとって、2階は現実的かつ魅力的な選択肢です。

災害時にすぐ避難できる

災害時には、2階という低層階が大きな安全性を発揮します。地震や火災などの緊急事態では、階段を使って迅速に建物の外へ避難できる点が安心材料となります。

停電時にエレベーターが使えなくなった場合でも、階段を使える位置に住んでいれば居室からの出入りも問題ありません。特に、高齢者や幼い 小さな子どもがいる家庭にとって、迅速に避難できる環境は大きな安心材料となるでしょう。

共用施設を利用できる

2階に住んでいても、タワマン内の高級な共用施設を自由に利用できます。ジムやラウンジ、ゲストルームなどの施設を高層階の住人と同じように使えるため、充実したタワマンライフを送れるでしょう。

経済的なメリットを享受しながら、タワーマンションならではの生活を楽しめるのは、2階住戸ならではの利点といえるでしょう。

2階に住む際の注意点とデメリット

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写真:photoAC(イメージ)

タワマンでは、低層階ならではのデメリットも無視できません。ここでは、2階に住む際に注意すべきポイントについて見ていきましょう。

眺望は期待できない

タワマン高層階が持つ最大の魅力は、眼下に広がる眺望です。2階ではその魅力を享受できず、窓からの景色が隣接する建物や道路に遮られる場合も多くあります。都市部では周囲の建物が視界を妨げるケースが多く、眺望を重視する人には物足りなさを感じられるでしょう。

虫が室内に入ってくる

低層階に住む場合、虫との遭遇率が高くなる点も注意が必要です。専用庭がある1階住戸ではその傾向が顕著ですが、2階でも近隣の緑地や植栽の影響で虫が入り込む可能性があります。これを防ぐためには、網戸の設置や定期的な防虫対策が必要です。

【結論】タワマンの2階がおすすめな人

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写真:photoAC(イメージ)

2階に住むメリット・デメリットを踏まえると、どのような人に向いているのかが見えてきます。

生活の実用性を重視している人

日々の生活の中でスムーズな移動を重視する人にとって、2階は理想的な選択肢です。エレベーター待ちが苦手な人や、頻繁に外出する必要がある通勤者には階段を利用できる利便性は大きな魅力となります。眺望やステータスよりも、生活の利便性を重視する人には特におすすめといえるでしょう。

費用を抑えたい人

物件価格や家賃を抑えたい単身者やファミリーにとって、2階は経済的なメリットが多い選択肢です。タワーマンションの設備や利便性を享受しながらも、コストを削減できる点が、予算を重視する人々にとって大きな利点となります。

災害時の安全を重視する人

迅速に避難できる環境を求める人にも、2階は最適です。特に高齢者や小さな子どもを持つ家庭では、低層階の選択で災害時のリスクを軽減できます。安全性を第一に考える人にとって、2階は安心感を提供してくれる選択肢です。

タワマンの2階は合理的

タワマンの2階に住むことは、生活の実用性を重視する人にとって非常に合理的な選択肢です。また、高層階に比べて経済的な負担が軽く、災害時の安全性や日常生活の利便性も高いのも◎。

眺望や虫の問題といったデメリットも存在しますが、それらを補うだけの利点が多いといえます。

ステータスよりも実用性を求める「生活重視派」の人々にとって、タワーマンションの2階は最適な選択肢の一つでしょう。


筆者/森田 一成
15年間の住宅・不動産専門新聞社の経験、不動産投資セミナーの企画・運営、不動産団体広報誌の企画・取材・原稿執筆などを経て、Webメディア制作・編集、不動産関連のセミナー企画などを行っている株式会社アース・リーグを設立し代表を務める。宅地建物取引士。

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