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相談する価値ナシ!「信頼できない銀行マン」が言いがちな“2つのフレーズ”とは【現役銀行マンが断言】

  • 2024.12.17
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資産運用や将来の資産形成を考えるとき、あなたならどの金融機関を選びますか?

投資の知識もあるけれど、証券会社より銀行に安心を求めているなら、信頼できる銀行員とそうでない銀行員を見分けることが大事です。なぜなら銀行の運用相談も、対処するのは結局のところ人間である銀行員なのです。そのため信頼できる銀行員と、信頼できない銀行員を見分けないと、自分の大切な資産を増やすことも難しくなってしまいます

そこで本記事では、勤続30年のベテラン銀行員が日々の業務で見聞きしたことや自己の経験をもとに、信頼できる銀行員の見分け方を解説します。

この記事で得られるメリットは、信頼できる銀行員に出会うことで資産形成にはずみを付けられることです。

「信頼できる銀行員」と「信頼できない銀行員」

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まず、信頼できる銀行員を見つけることがなぜ重要なのか?ここから考えてみましょう。

信頼できる銀行員ならば、相談することで有効なアドバイスを貰えるなど、自分に何かしらのメリットはあるはずです。しかし信頼できない銀行員はその逆。わざわざ高い手数料を払ううえに、信頼できない相手と組むことは得策ではありません。

では信頼できる銀行員、信頼できない銀行員の特徴を具体的に見ていきましょう。 

“信頼できる”銀行員の特徴は「お客様ファースト」

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顧客第一で対応してくれる「お客様ファースト」の銀行員なら信頼できます。もちろん銀行でも証券会社でも、金融機関は販売した金融商品の「手数料」で利益を求めています。そのため、資産運用の相談に乗ることも仕事の一環であり、目的はあくまで手数用などの収入を獲得することです。それでも顧客のことを第一に考える人(またはお客様ファーストを演じている人も含め)が、結局は営業成績も上位になります。これは銀行員の私が競争の中で実感したことなので間違いないと思います。 

ではお客様ファーストの対応にはどのようなものがあるのか、具体的に解説します。

繰り返しになりますが、銀行員も営業マンなのでノルマがあります。最近の金融業界では、過大なノルマを課すことで不正な販売や強引な勧誘などが社会問題になったことがあります。そこで営業数字だけでなく、そこに至る過程や行動を評価するなど変化はしてきましたが、依然として銀行員にはノルマが課せられています。

しかも、自社で取り扱う商品しか販売ができないので、自社の中でもイチオシ商品とか、ノルマ達成で実績の数値が稼げる手数料の高い商品を全面に押してくる傾向があります。

そのため自社製品ばかり説明する(これを銀行では隠語で「決め打ち」などと表現します)のではなく、他社商品を含めて公平に幅広く説明してくれる銀行員なら信頼できるでしょう。

その理由は銀行の内情にあるので、少し説明します。

他社商品まで相談に乗ってくれるかどうか

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銀行員のノルマは「手数料を1年間でXXX万円獲得する」といった物が多く、手数料が高い商品を売れば、ノルマは早く達成できます。基本的に高リスク商品ほど手数料が高いので、販売すればノルマを早く達成できるという理屈なのです。そのため、たとえばこれまで預金だけで投資などしたことがなかった高齢者に、外貨建て個人年金を売りつけるといったトラブルも頻発しています。(※参考1)

しかし営業力がある銀行員なら、自社商品以外でもしっかり説明をしてくれます。もちろん会話の中で自社商品に誘導はするでしょうが、ゴリ押ししてお客様を逃すよりは「銀行で扱っていない他社の商品まで相談に乗ってくれた。次からは安心して相談できる」と信頼を勝ち取れば、目先の実績をのがしても更に大きい成果を望めると、デキる営業マンなら考えます。

(※参考1)独立行政法人国民生活センター「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」

「傾聴」「共感」「課題共有」

また、結局は人と人との付き合いなので、誠実な対応をしてくれる銀行員なら信頼できますし、その逆なら信頼できない銀行員なので、相談するべきではありません。

ひとことで「誠実」といっても定義は難しいのですが、たとえば

  • 【傾聴】話をしっかり聞いてくれ、顧客の話を遮らない
  • 【共感】一緒に考えてくれる
  • 【課題共有】家族構成や資産状況を自分に置き換えて課題を解決する方法を探ってくれる

理想論に近いかも知れませんが、こうした銀行員なら信頼できるでしょう。

“信頼できない”銀行員の特徴は「ノルマ至上主義」

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続いては、信頼できない銀行員の特徴の紹介です。

まずよくいるのが、顧客の事情やニーズを無視して、ガツガツと自己のノルマが達成するための商品を押してくるタイプです。こうした銀行員は、眼の前のあなたのことなど全く考えていないので、相談する価値もないと断言できます。

このタイプの銀行員に相談をしても、こちらの話を最後まで聞かずに途中で何度も口をはさみ、自分の目的とするセールスを続けます。「ところで」「話は変わりますが」など、話の腰を折るフレーズを連発するような銀行員は要注意です。

これも私自身がそういった行動パターンだった時期があり、結局はお客様の信頼を得ることができなかったことから事実です。 

専門知識の不足も要注意

知識が足りない銀行員も信頼できない典型的なタイプです。

たとえば少しわからないことを聞いただけで、自分の専門外では即答できない銀行員がいます。

自分の売る商品の知識はあっても、そもそも一般常識や、他社商品でも一般的に有名なものも答えられないといったタイプです。これでは総合的な運用提案などできるわけがありません。

こうしたタイプの銀行員は質問を投げかけると「えーと」「ちょっと待ってくださいね」(と言いつつ、後ろを向いたり席を外してこっそり誰かに聞いている)といった反応をするので、すぐ分かります。

顧客に絶対に言ってはいけないフレーズ

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残念なことですが、ひと握りの悪質なタイプもいます。それは実績のためにウソをつく銀行員です。

投資や運用を規制する金融商品販売法などの法律で、商品説明では断定的な発言や根拠のない予想などは禁じられています。それなのに自分のノルマを達成するために「絶対儲かります」「損はしません」などと顧客を騙す銀行員がいるのも現実です。

銀行など金融機関との取引でトラブルになった場合は金融庁「金融サービス利用者相談室」や、全国銀行協会相談室、国民生活センターなど公的な相談窓口がありますので、相談するのも良いでしょう。

商品だけでなく銀行員の見極めも重要

今回は信頼できる銀行員と信頼できない銀行員について、金融商品や投資などの観点で解説してきました。あなたの資産形成で銀行を選ぶときには、銀行員もしっかりと見極める必要があります。

この記事が参考になれば幸いです。


著者:加藤隆二

銀行に30年間勤務、まだまだ現役の銀行員。住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、あるいは返済が困難なお客様からの相談にも対応してきました。自慢できるような実績はありませんが、銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。

※サムネイル写真および記事内の画像はイメージです