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NHKドラマのワンシーンに「表情だけでここまでできるの」「将来有望すぎる」話題作への抜擢が続く ”注目の若手俳優”

  • 2025.2.20

北海道を舞台に獣医を志す大学生たちが活躍するNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』。第2話では、大学生らしく恋の矢印が交錯する様子が描かれた。なかでも、萩原利久が演じる久保残雪(くぼざんせつ)が見せた切ない表情が心に沁みた。

ふとした目線の変化から伝わってくる恋心

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『リラの花咲くけものみち』2月8日放送(C)NHK

萩原が演じる久保は、鳥類学者を父親に持つ鳥類オタク。主人公・岸本聡里(山田杏奈)が、入学のために大学に訪れたときに出会った同級生で、それ以来たびたび縁がある仲だ。久保から、聡里に対する興味があるように見受けられる。

第1話で、母馬の分娩がうまく進まず、お腹の中にいる子馬を殺すことになったときに取り乱した聡里を支え、第2話では挫折を感じて東京の実家に帰ってしまった聡里の元を訪れるなど、聡里の窮地にはいつも現れる。しかし、現れるからと言って、何か特別な言葉をかけるというわけではない。ただそばにいる。その安心感を聡里に与えてくれる存在といえる。

そんな2人に恋が芽生えているのではと疑い始めた聡里のルームメイト・梶田綾華。聡里は、綾華に言われて久保を意識するように。恋か?友情か?と考えた末、聡里は友情だと答えを出してしまい、聡里が次に獣医学類の先輩である加瀬(佐藤寛太)を意識するように。しかし、クリスマスの日、加瀬と同じく先輩である静原(石橋静河)が仲良さげにしているのを目にしてしまう。聡里は勝手に失恋したと感じていた。

同じ時、久保も失恋らしきものをしていた。聡里の目線から、聡里の中にある加瀬の恋心を察した久保は、聡里に「思いは伝えた方がいいよ」と、告白を促す。聡里が、加瀬と静原の仲の良さは恋仲に違いないというのに対し、久保は「僕たちも仲良しだけどただの友達だろ?」と問いかける。その問いかけをしたときの、賭けに出たかのような強い目線と、聡里から「確かに」と返されたときに伏せられた目線には、久保から聡里へのほのかな恋心が伺えた。なんと切ない。萩原が繊細に表現した感情が胸に迫ってくる。視聴者からも「なんて切ない表情」「あの雰囲気は萩原さんにしか表現できない」「表情だけでここまでできるの」「実力派だ。将来有望すぎる」と反響が広がっている。

止まらない活躍… 信頼をおける俳優の1人に

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『リラの花咲くけものみち』2月8日放送(C)NHK

萩原は、2021年放送のドラマ『美しい彼』で主演を務めてから、飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を見せている。2023年から2024年にかけては、『月読くんの禁断お夜食』、『真夏のシンデレラ』、『たとえあなたを忘れても』、『めぐる未来』と、春から冬クールすべてのドラマに出演した。『イップス』や『モンスター』では、1話ゲストとしても登場し、大きな印象を残す役柄を演じた。どんなストーリーでも役柄でも真摯に演じており、今回はどんな芝居を見せてくれるだろうとワクワクさせてくれる俳優として信頼がおける存在だ。

現在は、NHK連続テレビ小説『おむすび』にも出演しており、主人公が働いていた社員食堂の若手調理師として、主人公・結(橋本環奈)を支える存在だった。萩原のニュートラルで実直な姿勢が活かされた役柄で、結の良き相棒だった。

2月公開の映画『世界征服やめた』では、監督・脚本を務めた北村匠海から切望され、主演に抜擢。4月には、原作・ジャルジャル福徳、監督・脚本を大九明子が務める主演映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が公開される。主演声優を務める劇場版アニメ『花緑青が明ける日に』も2025年に公開予定。これだけの待機作が揃っているのは、多くのクリエイターからその演技力を評価されている証拠だろう。

土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』 NHKプラスで見逃し配信中



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202