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5秒で計算できる?「(−10)^6」

  • 2024.11.24
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同じ数を何度も掛ける計算のことを、累乗といいます。

今回は、負の数の累乗に挑戦です。

答えの符号に気を付けながら、5秒以内に答えを出してみましょう。

問題

次の計算をしてください。
(−10)^6

※制限時間は5秒です。

解答

正解は、「1000000」です(0の数は6個です)。

答えにマイナスをつけてしまった人は、残念ながら不正解です。

正解のための「ポイント」はどこか、次で確認してみましょう。

ポイント

今回の問題のポイントは、「指数が偶数であること」です。

まず、指数とは何かを確認してみましょう。

何度も同じ数を掛け算するとき、一つ一つの掛け算を繰り返し書くのは面倒なものです。そこで使えるのが、指数です。指数は数字の右肩に書かれ、何回掛けたかを表現するものです。

今回の問題では6が指数になります。(−10)^6は、−10を6回掛けているという意味です(ちなみに()なしの−10^6は10の部分を6回掛けているという意味で、マイナスは一回しか掛けません)。

(−10)^6
=−10×(−10)×(−10)×(−10)×(−10)×(−10)

掛け算の答えにマイナス符号をつけるかどうかは、次の計算ルールに従って決まります。

<マイナス符号のつけ方ルール>
・同符号どうしの掛け算→答えは正の数になるので、マイナス符号を付けない
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数になるので、マイナス符号を付ける

これに従って(−10)^6の計算していけば、答えが出ます。

しかし、次のように計算していくのはちょっと手間がかかりますね。

(−10)^6
=−10×(−10)×(−10)×(−10)×(−10)×(−10)←−10×(−10)は同符号どうしの掛け算だから100
=100×(−10)×(−10)×(−10)×(−10)←100×(−10)は異符号どうしの掛け算だから−1000
=−1000×(−10)×(−10)×(−10)

そこで、次のルールを利用しましょう。

・掛け算内の負の数が偶数個→答えは正の数
・掛け算内の負の数が奇数個→答えは負の数

どうしてこのルールが成り立つのでしょうか?実は、このルールは、先の「マイナス符号のつけ方ルール」の拡張版といえます。

負の数×負の数という同符号どうしの掛け算を作るには、負の数を二個使う必要があります。

掛け算式内の負の数が偶数個であれば、負の数は二個ずつペアになれます。負の数×負の数の答えは正の数なので、全体の答えもまた正の数になります。

一方で掛け算式内の負の数が奇数個であれば、負の数を二個ずつペアにしようとしたとき、必ず一つは負の数が余ることになります。二個一組のペアになった負の数は負の数×負の数で正の数に変換されますが、余った一つの負の数によりどこかで必ず正の数×負の数の計算が生じます。

正の数×負の数の答えは負の数なので、掛け算内の負の数が奇数個なら答えは負の数になります。

今回の問題では、−10を6回掛けているので、掛け算の中の負の数の個数は偶数個、つまり答えは正の数になります。また10を掛けるときは、掛けた数だけ末尾に0を増やしていけばよいので、今回の問題は次のように一気に計算することが可能です。

(−10)^6
=1000000←マイナス符号は付けず1の後ろに0を6個書く

まとめ

今回は、累乗の問題に挑戦しました。

負の数の累乗の場合、答えにマイナスを付けるかどうかは指数を見ればわかります。指数が偶数であれば答えは正の数になるのでマイナスは付けません。一方、指数が奇数なら答えは負の数になるので、答えにはマイナスを付けます。

負の数の掛け算問題は他にもさまざまなバリエーションがありますので、引き続き挑戦してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。