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憧れのパンツが逆効果!? 小1息子の「オムツ外れ」までの道のりが長かった【たんこんちは ボロボロゆかい Vol.36】

  • 2024.10.28

息子と私には、長年、二人だけの秘密がありました。

誰にも言わない、内緒のコト…。

それは、おうちではおむつマンだった、ということですーー。

■園ではお兄ちゃんパンツだけど…

赤ちゃんの頃から、尿意や便意をなぜか隠す癖があった息子。

幼稚園入園までのおむつ離れは叶わず、入園してもしばらくはトイレトレが続いていました。

しかし、“園ではお兄ちゃんパンツ”というルールと、先生方の協力(本当に本当に感謝しています)のおかげで、年中さんに上がるころには、パンツを濡らしてしまう失敗もなくなりました。

しかし…。

園から帰ってくると、おむつを履く息子。

ふ~っと一息つきながら、いそいそと自分でおむつを用意し、しっかり履く息子。

「今日もパンツ濡れなかったでしょ? おうちでも大丈夫じゃない?」

黙って首を横に振る息子。

息子の心は固く決まっていました。

パンツは確かに濡れていないし、トイレに行きたくなったら自分でちゃんと行けるようになりました。

夜だってトイレにひとりで起きてくれるくらいです。

でも、おむつを履きたいのです。

オムツが切れれば踏ん切りがつくかも、と息子に相談してみると…。

「おトイレ上手になったから、もうオムツ買わなくていいかな?」

「だめ!!!!!」

何度このやり取りをしても、息子は必死の抵抗でした。

普段はクールな息子の必死な姿。それは、決して無視できないものでした。

園では失敗もせず、涼しい顔でお兄ちゃんパンツ生活をしている。

これはある種のオンオフだと、私も受け入れることにしました。

ですが、ここからが長かった…。

■パンツとおむつの二重生活

園ではパンツ、家ではおむつの二重生活は続き…。

息子はもうすぐ小学校に入学、というところまで来ていました。

さすがにこのままではまずいのでは…と焦り始める私。

新しいカッコいいパンツを買い、息子をオムツ離れに誘導する作戦をもくろみます。

「もうすぐ小学校だし、新しいパンツ買おっか! 好きなキャラにする?」

「うーん…」

あまり乗り気でない息子。

ここまで渋るのには、どうしようもない理由があるはず….。

「パンツ、何がイヤだった? まだ…ちょっと怖い?」

「ヒーローパンツ…」

「それがどうした?」

「ママが買ってくれたヒーローパンツ、ぬらしちゃったのがいやだった…」

「え…」

「かなしかった…」

息子の話によると、当時息子が大好きだったヒーローのパンツ。

息子の自信につながれば…と購入したのですが、それをトイレ失敗で濡らしてしまった衝撃と自責の念が、いまだに彼の心に残っているそうです。

私が「そっか~!」と軽く流してしまった一方で、まだ半分赤ちゃんだった息子が、ものすごいショックと罪悪感を抱いてしまっていた…。

それは私にとっても衝撃の事実でした。

以前からしっかり者で、お姉ちゃんの手助けもしてくれるくらい頼もしかった息子。

その心の中には、どうしてもおむつとさよなら出来ない理由が確かにあったのです。

「そっか…」

それだけ、あのパンツを大切に思ってくれていたんだ…。

その事実に、踏ん切りがついたのは私の方でした。

「よし、そうまが“もういいや”って思えるまで、このままでいよう!」

■コッソリおむつ生活は小学校でも続き…

自転車の補助輪があっという間に外れる子、なかなか外れない子がいるように、体の成長はしていても、心に不安があると、先に進むのはなかなか難しいものです。

それは、心が成長していないのではなく、心が成長しているからこそ生まれる“不安”。

息子のこれも、息子が心が成長している証拠!

そう、前向きに捉えることにしました。

こうして、息子は小学校に上がっても、帰宅するとオムツを履くという、秘密の生活が続きました。

ですが、徐々に足も長くなり、おむつもきつくなっていきます。

……が、今は種類もサイズも豊富! 大丈夫!

過ごしやすい春があっというまに終わり、暑い夏がくると…。

「昼間は蒸れてかゆくなるから、パンツでいよっか」

「うん!」

夏休みで昼間も家にいる日々が続き、自然と家でパンツを履いている習慣がつき…夏休みが終わっても、遊び疲れて、着替えも忘れる日が多くなり…。

いつの間にか、息子の二重生活は終わりを迎えていました。

命にかかわる悩みではないと頭ではわかっていても、この先、冷やかされるのではないか、いじめられるのではないか…そう思うと、焦ってしまうのが親心。

ですが、うちの息子を突き動かしたのは私ではなく、やはり一番大きかったのは“本人の自信”だったと思います。

「もう大丈夫だ! いける!」

そう思えるようになるまでの時間は、本当に人それぞれ、子それぞれ。

それを教えてくれた、息子とのエピソードでした。

(たんこ)

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