今年のテレビドラマも1月期からおおいに盛り上がったが、最終回を迎えて寂しい気持ちの人も多いだろう。しかし、4月期からも期待のテレビドラマが続々と放送される。
ここでは、そんな期待の作品を曜日ごとに一本ずつセレクトしていこう。
【月~金】アンパンマンの作者をモデルにした夫婦の絆『あんぱん』
日本人なら誰もが知るあの『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルにした作品。生きる意味を失っていた苦悩の日々と、それでも夢を追いかけ続けた2人の人生を暖かく描く作品だ。激動の時代を乗り越えて、いかにして『アンパンマン』を生み出したのか、人が生きる意味をも問いかける内容となるという。今田美桜、北村匠海が夫婦役を務め、脚本は『花子とアン』の中園ミホ。
<NHK総合で3月31日午前8時から放送開始>
【月曜日】人気シリーズ11年ぶりの新作『続・続・最後から二番目の恋』
2012年に1作目が、2014年に続編が放送された、小泉今日子と中井貴一主演の人気シリーズが11年ぶりに帰ってきた。鎌倉を舞台に中年男女が繰り広げるこの恋愛コメディは、ハートウォーミングなストーリーとポジティブなキャラクターたちが織りなすコミカルさが魅力。脚本は前作から引き続き岡田惠和。主要キャスト全員が“実年齢”に合わせて各キャラクターを演じることで、大人の恋愛模様だけでなく人生の機微を描いたことで人気を博し、多くの共感を読んだ作品だ。坂口憲二、内田有紀、飯島直子らレギュラー陣も続投で、同窓会のような懐かしい雰囲気を味わえそうだ。
<フジテレビ系列で4月14日21時から放送開始>
【火曜日】薬膳をめぐるハートフルな物語『しあわせは食べて寝て待て』
週4日のパートで質素な生活をする38歳、独身の麦巻さとこが「一生つきあわないといけない」病気にかかったことで生活が一変してしまう。新しい暮らしのために住まいを探さねばならず、やっと見つけたのは築45年、家賃5万円の団地。
そこで、さとこが出会ったのは「薬膳」の世界、地味だけど身体に良い薬膳ご飯を通じて、団地の人々と交流を深めていく、心温まる物語だ。主演は桜井ユキ、共演に宮沢氷魚と加賀まりこ。
<NHK総合で4月1日22時から放送開始>
【水曜日】「あな番」スタッフによる考察系ドラマ『恋は闇』
考察系ドラマとして人気を博した『あなたの番です』や『真犯人フラグ』を手掛けたの制作スタッフによる恋愛ミステリー。都内で凄惨な連続殺人事件が発生、そこで週刊誌のフリーライターとテレビ局の情報番組ディレクターが出会い、同じ事件を追いかけることになる。その過程で惹かれ合う2人だが、次々と疑惑が浮上に、男に疑いがかかってゆく。
愛した男が連続殺人犯かもしれないという中で、愛が試される展開となっていく。殺人犯の疑いをかけられるフリーライターの男に志尊淳、情報番組のディレクター役に岸井ゆきのの実力派の2人が主演を務める。
<日本テレビ系列で4月16日22時から放送開始>
【木曜日】災害救助の過酷な訓練を描く『PJ ~航空救難団~』
航空救難団の教官と訓練生が“命と心を救う”ため過酷な訓練に立ち向かう感動作。災害救助の最後の砦と言われる航空自衛隊航空救難団、通称PJ(パラレスキュージャンパー)は、過酷な状況での救助活動を行う部隊、その訓練は当然過酷を極める。そんな厳しい訓練に立ち向かう訓練生と型破りな主任教師との1年に及ぶ「地獄」の訓練を描く。
主演の主任教官に内野聖陽、訓練生たちに神尾楓珠、石井杏奈、前田拳太郎など若手のホープが並ぶ。
<テレビ朝日系列で4月24日21時から放送開始>
【金曜日】訴訟を起こさせる弁護士たち『イグナイト -法の無法者-』
イグナイト=火をつける、という意味の単語をタイトルに掲げるこの作品は、その言葉通り、原告になりそうなターゲットの心に火をつけ訴訟を起こさせる弁護士たちを描く作品。どんな手段を用いても裁判を勝訴に導く「法の無法者集団」が暗躍する物語だ。司法制度改革によって弁護士の数が増え、食えなくなった弁護士も出てきた時代を背景に、訴訟を起こさせるという手法で生き延びる弁護士たちを描くリーガル作品だ。
主演は、間宮祥太朗、制作を務めるのは映画『正体』『余命10年』といった映画を手掛けてきたBABEL LABELが初めて地上波GP帯ドラマに挑戦する。
<TBS系列で4月、22時から放送開始>
【土曜日】村上春樹原作、災害後を生きる人々のドラマ『地震のあとで』
阪神・淡路大震災から30年後を描いた、村上春樹原作の連作短編を原作にしたドラマ。人間社会を押そう圧倒的な暴力とその影響を、東日本大震災やコロナ禍を経験した現代人に問いかける内容。原作の舞台を、1995年から2025年に置き換え、今に続く地震の影響を喪失を描く作品。岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市を各4話の主人公に、豪華俳優陣がそろう。
米国アカデミー賞にもノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允が脚本を担当、『あまちゃん』で震災を描いた井上剛が演出を担当する。
<NHK総合で4月5日22時から放送開始>
【日曜日】報道のあり方を問う『キャスター』
テレビ局の報道番組を舞台に、真実を追求するキャスターやジャーナリストを描く社会派エンターテインメント。「真実を伝える」ためには手段を選ばず、生ぬるい報道番組を変えていこうとする主人公を演じるのは、阿部寛。、バラエティ番組で活躍し会長賞をもらったこともあるヒットメーカーでありながら、報道担当となる崎久保華に永野芽郁。入社2年目の若手AD役に道枝駿佑が扮する。
<TBS系列で4月13日21時から放送開始>
4月からも期待のドラマが目白押しだ。どの番組を見るのか参考になれば幸いだ。
ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi