1. トップ
  2. 水曜22時に再び“闇”が動き出す…『あなたの番です』スタッフ再集結の新水曜ドラマの“魅力”とは?

水曜22時に再び“闇”が動き出す…『あなたの番です』スタッフ再集結の新水曜ドラマの“魅力”とは?

  • 2025.4.14
undefined
(C)SANKEI

2024年春に惜しまれつつ、廃枠となった日本テレビ水曜ドラマ枠。1年経ち、再び水曜22時がドラマ枠となり、『恋は闇』が放送されることになった。これまでは、仕事や恋愛、家庭を舞台としたヒューマンドラマや恋愛ドラマの枠といった印象が強かったが、『恋は闇』は『あなたの番です』『真犯人フラグ』のスタッフが再集結する考察型ミステリーになるようだ。

考察しがいのある謎解きミステリーが再び

2019年に放送された『あなたの番です』と、2021年に放送された『真犯人フラグ』は、どちらも2クールにまたがって放送された考察型ミステリードラマ。目が離せないスリリングな展開と、登場人物全員が怪しく見えてくる先の読めなさが魅力で、放送当時はSNS上に犯人を予想する考察が飛び交った。どちらも企画・原案を秋元康が担当しており、すでに結婚している夫婦が中心となる物語。パートナーだけは信じられるという心の拠り所が存在するドラマだった。

一方、『恋は闇』はあるカップルの出会いから始まる作品のようだ。都内で発生した凄惨な殺人事件をきっかけに出会った週刊誌ライターの主人公・浩暉(志尊淳)と彼を愛したヒロイン・万琴(岸井ゆきの)が、惹かれあう過程が描かれる。そして、その過程の中で浩暉が犯人として疑われるように。愛する相手を信じられるのかという葛藤がポイントになりそうだ。

脚本は『こっち向いてよ向井くん』『先生さようなら』などを手がけた渡邉真子が担当。リアルで複雑な恋愛描写を得意とする渡邉が、恋と謎解きを掛け合わせたらどんな物語が生まれるのか。展開を考察しながら、相手を信じられるかどうかという普遍的なテーマも楽しめる作品になりそうだ。

2クール連続でメインキャストを務める志尊淳

注目したいのは、冬ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』から引き続きメインキャストとしてドラマ出演を果たす志尊淳だ。『日本一の最低男』では、主人公・大森一平の義理の弟・小原正助を演じ、シングルファザーならではの悩みや一平への心の壁などを乗り越えて、誰よりも一平に寄り添う役柄として、作品に温もりを与えてくれる存在だった。連続テレビ小説『らんまん』の井上竹雄役なども含め、主人公を優しく支え包む役柄がよく似合う。

一方で、役柄によっては視聴者を惹きつける強い存在感を出すこともできる。高橋文哉とのW主演となった『フェルマーの料理』で演じた朝倉海役は、存在するだけで周囲に威圧感を与えるカリスマ性に溢れたキャラクターだった。圧倒的な存在感で、作品全体の緊張感を操っていたといっても過言ではない。

志尊は、作品に求められる役割に合わせて、自身がまとう空気を操れる俳優だ。『恋は闇』で演じる浩暉は、明るい雰囲気を持つ快活な人物でありながら、連続殺人鬼として怪しまれる役柄。ヒロイン・万琴との恋愛描写もある。一つの作品の中で、志尊のさまざまな側面を見ることができそうだ。見たことがない志尊淳に出会う作品になることを期待したい。



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202