数にはさまざまな種類がありますよね。負の数、分数、小数などは、正の整数とは違った計算ルールがあることを覚えているでしょうか。
今回の問題では、複数の種類の数が同じ式に登場しています。さて、あなたは正しく計算できるでしょうか?
問題
次の計算をしてください。
2×(−3)+1/2÷0.5
解答
正解は、「−5」です。
正の数に負の数、分数、小数といった、さまざまな数が混じった式でしたが、正しく計算できたでしょうか?
次の「ポイント」で、計算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「正の数×負の数の答えの符号」と「分数と小数の計算方法」です。
まず、冒頭の「正の数×負の数」の計算をします。
2×(−3)+1/2÷0.5
掛け算の答えの符号をどのように扱うかについては、次のようなルールがあります。
<掛け算の答えの符号ルール>
・同符号どうしの掛け算→答えは正の数になる
例:(+)×(+)=(+)、(−)×(−)=(+)
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数になる
例:(+)×(−)=(−)、(−)×(+)=(−)
冒頭の計算は、正の数×負の数、つまり異符号どうしの掛け算なので、答えは負の数になります。
2×(−3)+1/2÷0.5
=−6+1/2÷0.5
次に計算すべき部分ですが、「掛け算や割り算は、足し算や引き算よりも先に計算する」というルールがありますので、「−6+1/2」ではなく、「1/2÷0.5」から計算します。
式が分数と小数でできている場合は、小数か分数に統一しましょう。
<分数を小数にする方法>
分子÷分母を計算する。
例:1/5=1÷5=0.2
<小数を分数にする方法>
分子を小数点を取り除いた数、分母を1に小数点以下の桁数分の0を付けた数とする。
例:0.7=7/10
今回は「分数を小数にする方法」を使って、1/2を小数にしてみましょう。
1/2
=1÷2
=0.5
1/2を0.5に変換できました。なお、この方法は「分子÷分母」が割り切れるときには便利ですが、割り切れないときには使いづらくなります。そのときは、小数を分数にしましょう。
ここまでの計算で、式は次の形になります。
−6+1/2÷0.5
=−6+0.5÷0.5
小数の割り算のルールでは、割る数が整数になるまで小数点を右に移動し、その桁の分だけ割られる数の小数点も移動してから割り算を行います。
−6+0.5÷0.5
=−6+5÷5
=−6+1
しかし、今回はそんな計算方法を知らなくても答えを出せます。なぜなら、「割られる数と割る数が一緒なら答えは必ず1になる」からです。
今回の式では、割られる数も割る数も0.5なので、答えは1になります。
−6+0.5÷0.5
=−6+1
最後に、負の数−6と正の数1を足します。負の数の足し算では、数直線をイメージしましょう。足し算は、プラスの方向、すなわち右に進むことなので、-6の位置から「+1」右に進んだところが、「−6+1」の答えになります。
−6+1
=−5
これで答えを出せましたね。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
種類の違う数の計算でも、ルールに従えば一つひとつ答えを出すことができました。
符号の異なる掛け算のルール、分数と小数の計算ルールはよく使うので覚えておきましょう。
他にもさまざまな計算問題を用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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