算数や数学では、一部の知識だけでは問題が解けない場合が往々にしてあります。これは、文章題や図形の応用問題のみならず、単純に見える計算問題でも起こりうることです。
今回は、数学に登場する「負の数」と算数に登場する「分数」の両方が混じった計算問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算しなさい。
7+(−5)+1/7×35
※制限時間は5秒です
解答
正解は、「7」です。
どうやって計算したらよいか、分かりましたか?
次の「ポイント」を見て、負の数と分数の計算方法を復習してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「負の数の足し算・分数と整数の掛け算の計算方法」です。
順番に解説していきますね。
まず、今回の問題、どこから計算したらよいか分かりますか?
7+(−5)+1/7×35
左から順に計算するのは間違いです。ルール上、掛け算は足し算・引き算よりも優先的に計算されます。
よって、最初に計算するべきは、「1/7×35」の部分です。
7+(−5)+1/7×35
分数と整数を計算するときは、整数を分数に変換します。整数は分母1の分数として表せるので、35を35/1にしましょう。
7+(−5)+1/7×35
=7+(−5)+1/7×35/1
分数の掛け算では、分子どうし、分母どうしを掛けます。約分(分子と分母を同じ数で割ること)できる部分は、約分して答えを出しましょう。
7+(−5)+1/7×35/1
=7+(−5)+(1×35)/(7×1) →分子と分母を7で割って約分※
=7+(−5)+(1×5)/(1×1)
=7+(−5)+5/1
=7+(−5)+5
後は足し算しか残っていないので、左から順に計算していきましょう。
さて、ここで負の数の足し算7+(−5)が登場します。負の数の足し算は、引き算に変換して計算します。
+(−〇)=−〇
その理由は、負の数は全体に対してマイナスの影響を与える数だからです。負の数が足されることは、式全体の量を減らすこと、つまり引き算と同じなのです。
では、負の数の足し算を引き算に変換して計算を続けていきましょう。
7+(−5)+5
=7−5+5
=2+5
=7
これで答えが出ましたね。
なお、足し算はどこから計算してもよいという法則(結合法則)があるので、次のように(−5)+5から計算することもできます。
7+(−5)+5
=−5+5+7
=0+7
=7
−5と5が打ち消しあうので、より簡単に計算できます。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
「分数×整数」は、整数を分数にして計算します。また、負の数の足し算は引き算として計算します。どちらの計算も基礎的なものではありますが、組み合わさると難しく感じた人もいるのではないでしょうか。
ぜひ、他の問題にも挑戦して計算の基礎力を鍛えていきましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
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