数学の世界では、小学校で習ったことと中学校で習ったこと、どちらの知識もないと計算ができないという問題はたくさん存在します。
数学は積み上げ学習が基本。昔習った知識を蓄積することで、より高度な問題が計算できるようになるのです。
さて、今回の問題、あなたは正しく計算できるでしょうか。
問題
次の計算をしてください。
(11+1/9)÷(3+19/27)+7−(−10)
解答
正解は、「20」です。
帯分数の計算、負の数の引き算、どちらも問題なく計算できたでしょうか?
途中で引っかかってしまった、という人は次の「ポイント」を確認してください。
ポイント
この問題のポイントは、「帯分数の割り算は仮分数に直して」、「負の数の引き算は足し算にして」計算することです。
それぞれ順番に解説していきますね。
帯分数の割り算
まず、冒頭の帯分数の割り算から計算を行いましょう。
(11+1/9)÷(3+19/27)+7−(−10)
帯分数の割り算は、仮分数に直してから計算します。
帯分数は、帯分数の「整数部分×分母」を分子に足すことで、仮分数に直せます。
ではやってみましょう。
11+1/9=(11×9+1)/9=100/9
3+19/27=(3×27+19)/27=100/27
これで、式は次の形になります。
(11+1/9)÷(3+19/27)+7−(−10)
=100/9÷100/27+7−(−10)
次に、割り算を計算しましょう。分数の割り算では、「割る数」の分子と分母を逆にしてから掛け算します。
途中で約分できる部分があれば約分してください。
100/9÷100/27+7−(−10)
=100/9×27/100+7−(−10)
=(100×27)/(9×100)+7−(−10)
=(1×3)/(1×1)+7−(−10) →100と9で約分
=3/1+7−(−10)
=3+7−(−10)
約分する部分が分かりにくい人は、次の画像を参考にしてください。
負の数の引き算
先のステップで、式はシンプルな形になりました。
次に、足し算の部分を計算しましょう。
3+7−(−10)
=10−(−10)
最後に残ったのは、負の数の引き算です。
負の数の引き算は、次のように、マイナスの符号を取って足し算として計算します。
−(−■)=+■
では、負の数の引き算部分を計算して式の答えを出しましょう。
10−(−10)
=10+10
=20
これで計算は終わりです。
まとめ
今回の問題では、帯分数と負の数が登場しました。帯分数の割り算は仮分数に、負の数の引き算は足し算に変換してから計算します。
帯分数は小学校の算数で、負の数は中学校の数学で習う分野ですが、答えを出すにはどちらの知識も必要になりましたね。
このように、算数と数学の知識が共に必要になる問題は他にもあります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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