1. トップ
  2. 大人が意外と間違える数学 (3+1/2) ÷ (2+1/4)+10-(-10)←正しく計算できる?

大人が意外と間違える数学 (3+1/2) ÷ (2+1/4)+10-(-10)←正しく計算できる?

  • 2024.8.24
undefined

分母より分子の方が大きい分数(1より大きな分数)の表現方法は二通りあります。

 

一つは仮分数、もう一つは帯分数です。

 

今回は帯分数と負の数が登場する計算問題に挑戦です。

 

それぞれの計算ルールを思い出しながら、正しい答えを出せるでしょうか?

問題

次の計算をしましょう。
(3+1/2) ÷ (2+1/4)+10-(-10)

答えは帯分数で出してください。

解答

正解は、21+5/9です。

今回の問題、帯分数の扱い方に難しさを感じたかもしれませんね。

また、負の数の引き算のやり方を間違えても正しい答えは出てこなかったでしょう。

次の「ポイント」で、各パートの計算方法を確かめてみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、帯分数の割り算と負の数の引き算を正しく行えたかどうかです。

ステップ1 帯分数の割り算をする

今回の問題では、式の冒頭に帯分数の割り算が登場します。

(3+1/2) ÷ (2+1/4)+10-(-10)

まず、帯分数と仮分数とはどのような分数か、確認しておきましょう。

帯分数...整数と、分子が分母より小さい分数(真分数)を和で表した分数(1と1/2は、1+1/2という意味)
仮分数...分子が分母より大きいか、分母と等しい分数 例:3/2、2/2

分数の割り算の計算ルールは、「割る数の分子と分母を反対にして、割られる数に掛ける(割る数の逆数を割られる数に掛ける)」です。しかし、帯分数のままではこの計算ルールが使えないので、帯分数を仮分数に変換してから割り算をします。

帯分数を仮分数に変換するステップは、次の通りです。

  1. 整数を分数に変換する(分母は隣の真分数に合わせ、分子は整数×真分数の分母とする)
  2. 1を隣の真分数と足し合わせる

では早速やってみましょう。

3+1/2の場合:整数部分の3→3×2/2=6/2として、真分数1/2と足す 6/2+1/2=7/2
2+1/4の場合:整数部分の2→2×4/4=8/4として、真分数1/4と足す 8/4+1/4=9/4

これで準備は整ったので、早速割り算をしてみましょう。

  (3+1/2) ÷ (2+1/4)+10-(-10)
=7/2÷9/4+10-(-10)
=7/2×4/9+10-(-10)←9/4の分子と分母を逆にして掛ける
=(7×4)/(2×9)+10-(-10)←分子と分母を2で割って約分する
=(7×2)/(1×9)+10-(-10)
=14/9+10-(-10)

これで、割り算のパートが終わりました。

ステップ2 負の数の引き算をする

次に、整数パートを計算します。

14/9+10-(-10)

もちろん、順に14/9+10から計算しても良いです。ただ最終的に帯分数で答えを出すことを考えると、整数の足し算や引き算は分数に直さず、そのまま計算したほうが効率的です。

よって、今回は+10-(-10)の計算だけを片付けてしまいましょう。

ここでカギになるのが、負の数の引き算です。負の数を引く引き算は、正の数を足す足し算と同じであるという計算ルールがあります。

−(−●)=+●

つまり、-(-10)は+10と同じになり、次のように計算できます。

  14/9+10-(-10)
=14/9+10+10
=14/9+20

これで整数部分の計算が終わりました。

整数パートだけの計算をしても良い理由

足し算と引き算の計算の基本ルールは、「左から順に」ですが、足し算だけの式ならばどこから計算しても良いというルール(結合の法則)があります。14/9+10-(-10)は一見引き算と足し算の計算式に見えますが、-(-10)=+10とみなすと、次のように変形できます。

14/9+10+10

この式は足し算だけで構成されているので、左から順に計算しなくても正しい答えが出るのです。

ステップ3 帯分数の形に直す

最後に、14/9+20を帯分数の形に直します。

単に20+14/9とすればよさそうですが、14/9は分母より分子が大きい仮分数になっています。帯分数は、整数+真分数の形でなくてはなりません。よって、まず14/9を帯分数の形に直してから20と足し合わせます。

仮分数を帯分数に直すには、分子を分母で割ります。商は整数部分に、余りは分子に残します。

14÷9=1あまり5
14/9=1+5/9

あとは1+5/9の整数部分を20と足すだけです。

14/9+20
=1+5/9+20
=21+5/9

これで帯分数21+5/9の形で答えが求められました。

まとめ

今回は、帯分数と負の数の計算問題に挑戦しました。

帯分数と仮分数の変換、負の数の引き算など、いろいろな計算力が求められる問題なので、難しさを感じた人もいるかもしれません。

やり方を覚えれば、だんだん速く計算できるようになりますので、ぜひいろいろな問題に挑戦してみてくださいね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

undefined

「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


分数の問題にもう一問挑戦!

簡単だけど意外と間違える?!「5/2×5/3+(−3)」→正しく計算できる?
簡単だけど意外と間違える?!「5/2×5/3+(−3)」→正しく計算できる?