数学の最初の難関ともいえる「負の数」。
算数で扱っていた正の数とは違い、符号の変化に注意して計算する必要があります。
さて、大人になった今、負の数の計算方法を覚えているでしょうか?
今回は、負の数の引き算だらけの問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
−99−(−100)−(−100)−(−100)
解答
正解は、「201」です。
マイナスとマイナスが隣り合っていると、なんだかややこしい式に見えてしまいますよね。
しかし、負の数の計算ルールをおさえておけば、このような計算問題も怖くはありません。
次の「ポイント」を見て、負の数の計算ルールを復習しましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「負の数の引き算」です。
問題の式には三つの負の数の引き算が登場します。負の数の引き算は、足し算に変換して計算するとスムーズです。
具体的には、−(−■)を+■に変換して計算します。
早速やってみましょう。
−99−(−100)−(−100)−(−100)
=−99+100+100+100
後は、左から順に計算していけばOKです。
−99+100+100+100
=1+100+100
=101+100
=201
これで答えが出ましたね。
負の数の引き算が足し算になる理由
今回の問題では、「負の数の引き算は足し算に変換できる」ことを復習しました。
しかし、どうして負の数の引き算は、足し算と同じ意味になるのか疑問を持つ人もいると思います。
説明の仕方はいろいろあるのですが、今回は値引きシールの例を使って負の数の計算をイメージしてみましょう。
値引きシールは、商品の値段を下げる効果があります。例えば、1,000円の商品に「−100円」と書かれたシールが貼られていれば、商品の値段は、1000+(−100)=1000−100=900円になりますよね。
このように負の数の足し算は、引き算と同じになります。
しかし、この商品をレジに持って行く途中で値引きシールがはがれてしまったとします。この状況はまさに負の数の引き算、「−(−100)」といえます。このとき、900円になるはずだった商品の値段は、もとの1,000円に戻ってしまいます。
式で表すと、900−(−100)=900+100=1000円です。
今度は、負の数の引き算が足し算になりましたね。
この例を見ると、「負の数の足し算は、引き算と同じ」であり、「負の数の引き算は、足し算と同じ」だと分かりますね。
まとめ
今回の問題では、負の数の引き算がポイントになりました。
負の数の引き算「−(−■)」が登場したら、慌てずに「+■」の形に変換してから計算しましょう。
ちなみに、値引きシールの例でみたように、負の数の足し算「+(−■)」は「−■」と引き算に変えて計算します。
負の数の計算では、足し算は引き算に、引き算は足し算にと、演算の意味が逆になるのです。
負の数の計算ルールは少し特殊なので、計算しながら慣れていきましょう。他にも、たくさんの負の数の問題を用意していますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
負の数の計算にもう一問挑戦!