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大人が意外と忘れている数学「−10÷(−10)÷(−10)」→正しく計算できる?

  • 2024.9.25
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お惣菜の割引価格や割り勘で支払う一人当たりの料金など、日常で計算を行う場面は意外と多いものです。

しかし、生活の中で負の数の計算を頻繁に行う人は、あまりいないのではないでしょうか。

使わない計算ルールは忘れてしまいがちになるもの。

たまにはクイズ感覚で負の数の問題に挑戦してみましょう。

問題

次の計算をしてください。
−10÷(−10)÷(−10)

解答

正解は、「−1/10」です。

マイナスの符号をどう処理すればよいか、迷った人もいたのではないでしょうか。

次の「ポイント」で、負の数の割り算の計算ルールについて確認しておきましょう。

ポイント

今回の問題のポイントは、「負の数の割り算の答えの正負」です。

扱う数が負の数にまで拡張された数学では、次の基本ルールに従って、割り算の答えが「正の数」か「負の数」かを決めます。

・同符号どうしの割り算→答えは正の数
・異符号どうしの割り算→答えは負の数

では、今回の問題を見てみましょう。

まず、冒頭の−10÷(−10)から計算します。これは負の数÷負の数なので、同符号どうしの割り算となり、答えは正の数になります。

   −10÷(−10)÷(−10)
=1÷(−10)

次の1÷(−10)は、正の数÷負の数なので、異符号どうしの割り算となり、答えは負の数になります。

  1÷(−10)
=−1/10

これで答えが出ましたね。

なお、この基本の計算ルールを拡張すると、次のような形になります。

・割り算に出てくる負の数が偶数個→答えは正の数
・割り算に出てくる負の数が奇数個→答えは負の数

「同符号どうしの割り算→答えは正の数」のルールに従うと、割り算で負の数と負の数のペアができれば、答えは正の数になります。つまり、負の数が偶数個登場すると、答えは正の数になるといえるのです。

一方で奇数個の場合、ペアになれない負の数が必ず一個存在します。すると、どこかで異符号どうしの割り算が発生し、答えは負の数になります。

「同符号どうしの割り算→答えは正の数」のルールに従えば、今回の問題を見た段階で「負の数が三個登場するから答えは負の数になる」と分かります。

よって最初から計算式の冒頭にマイナスの記号を付けて、以下のように計算することも可能です。

  −10÷(−10)÷(−10)
=(10÷10÷10)
=−1/10

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

同符号どうしの割り算は答えが正の数に、異符号どうしの割り算は答えが負の数になることを覚えておきましょう。

また、偶数個の負の数が登場する割り算→答えは正の数、奇数個の負の数が登場する割り算→答えは負の数、という決まりも覚えておくと便利です。

なおこの計算ルールは掛け算でも同じなので、掛け算と割り算が混じった計算式でも使えますよ。

負の数の計算を練習したい方は、ぜひ他の負の数の問題にも挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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