自然数の四則演算とは違い、負の数や分数の計算はややこしく難しいと思う人もいるかもしれません。
しかし、一度、計算ルールに慣れてしまえば、案外すらすら計算できることもありますよ。
今回は、負の数と帯分数の割り算が登場する問題に挑戦です。どのように計算したらよいのか、考えてみてください。
問題
次の計算をしてください。
10−(−10)+(3+1/3) ÷ (1+1/9)
解答
正解は、「23」です。
分数部分がきれいに消えて、整数の答えになりましたね。
しかし、答えが分数になってしまったり、途中で計算に挫折してしまったりした人もいるかもしれません。
次の「ポイント」を確認して、正しく計算できるようになりましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「帯分数の割り算と負の数の引き算」です。
まず、今回の問題で最初に計算する場所を確認しておきましょう。
四則が混じった計算では、「掛け算・割り算は足し算・引き算より先に計算する」というルールがあります。
よって今回は、帯分数の割り算の部分から計算をします。
10−(−10)+(3+1/3) ÷ (1+1/9)
帯分数の割り算
帯分数は、整数と真分数(分子が分母より小さい分数)がセットになった形をしています。
足し算や引き算では、整数パートと真分数パートを別々に計算することもあります。しかし、掛け算や割り算ではそれができません。よって、帯分数の掛け算や割り算では、帯分数を仮分数に直してから計算を行います。
仮分数とは、「分子が分母よりも大きい、もしくは等しい分数」のことです。帯分数を仮分数に直すときは、「整数部分×真分数の分母」を真分数の分子に足します。
3+1/3ならば、「整数の3×真分数の分母の3=9」を、1/3の分子に足して仮分数にします。
3+1/3=(3×3+1)/3=10/3
同じく、1+1/9も仮分数にします。
1+1/9=(1×9+1)/9=10/9
あとは、分数の割り算のルールどおりに計算します。
分数の割り算では、以下のように逆数(ある分数の分子と分母を入れ替えた分数)を掛けることにより、分子どうし、分母どうしを掛け算します。
計算途中で約分できるところがあれば、約分しましょう。
負の数の引き算
次のポイントは、負の数の引き算です。
結論から言うと、負の数の引き算はマイナスの符号を取った正の数の足し算として計算します。−(−10)は+10になります。
10−(−10)+3
=10+10+3
=23
これで答えが出ましたね。
負の数の引き算が足し算になるのがイメージできない、という人は「負の数は全体にマイナスを与えるもの」と考えてください。
例えば、テストで本来なら20点もらえる問題に対して−10点の減点をされたとします。しかし、これは採点ミスで減点は取り消しになりました。
これが、−(−10)という状況です。テストの点数は最初の得点より10点上がりますから、−(−10)=+10であることも納得できるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、帯分数の割り算と負の数の引き算が混ざった問題に挑戦しました。
帯分数は算数、負の数は数学で習いますが、どちらの計算ルールもスムーズに思い出せたでしょうか。
昔に習った知識ほど忘れやすいものです。ときどき問題を解いて知識を忘れていないか確認するとよいですよ。
分数や負の数を扱った問題は他にもたくさん用意しているので、ぜひ挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
帯分数を含む計算にもう一問挑戦!