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大人が意外と間違える算数「4.4+4.8÷(−1.2)」→正しく計算できる?

  • 2024.9.22

 

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カテゴリーごとに閉じている科目とは違い、算数・数学は積み上げ学習が基本。

基礎からの内容を疎かにすることができないのです。

計算問題の中には算数と数学の知識両方合わせないと正解にたどり着けない問題もあります。

今回の問題も同じです。さて、あなたは正解できるでしょうか?

問題

次の計算をしてください。
4.4+4.8÷(1.2)

解答

正解は、「0.4」です。

この問題には、負の数の小数の割り算が入っています。

小数の割り算はできてもマイナス記号の処理に戸惑ってしまった、そんな人もいるかもしれません。

次の「ポイント」を見て、解法を押さえておきましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「小数と負の数の割り算・負の数の足し算」です。

負の数の足し算なんて出てこないのでは?と思った人も、続きを読んでみてください。

まず、この問題は冒頭の足し算から解いてはいけません。

なぜなら、計算のルールでは、足し算や引き算よりも掛け算や割り算の方を優先的に計算しなければならないからです。

よって、最初に計算すべきは小数の割り算部分です。

4.4+4.8÷(−1.2)

小数の割り算

小数の割り算では、割る数が整数になるまで桁上げをしてから計算します。今回は−1.2が12になるよう×10して桁上げをします。このとき、割られる数の方も同じだけ桁上げするのがポイントです。

4.8÷(−1.2)=4.8÷(−12) ×
4.8÷(−1.2)=48÷(−12) 〇

どうして両方の桁上げをしなければならないのかは、割り算を分数で表すと分かります。

割り算は割られる数/割る数の分数で表現できます。4.8÷(−1.2)なら4.8/−1.2です。

分数は分子と分母両方に同じ数を掛けても表現している数は変わらないという特徴があります。よって分母の割る数を×10すると同時に分子の割られる数も×10すれば、表現している数を変えないで済むのです。

4.8÷(−1.2)
=4.8/−1.2
=(4.8×10)/(−1.2×10)
=48/−12
=48÷(−12)

これで、小数の割り算は計算しやすい整数の割り算に変換されました。

負の数の割り算

では、次に48÷(−12)という負の数の割り算を進めていきましょう。

負の数の割り算のポイントになるのは、符号です。次の決まりに従って、計算結果の符号を考えてみてください。

割る数と割られる数が同符号の場合→答えの符号は+(正の数)
割る数と割られる数が異符号の場合→答えの符号は−(負の数)

48÷(−12)は、割られる数が正の数、割る数が負の数なので、異符号どうしの割り算になります。よって答えはマイナス記号が付いた負の数「−4」になります。

負の数の足し算

ここまでの計算結果をまとめてみてみると、負の数の足し算が現れます。

4.4+4.8÷(−1.2)
=4.4+48÷(−12)
=4.4+(−4)

負の数の足し算の計算ルールは次の通りです。

+(−〇)=−〇 負の数の足し算は引き算として計算する。

負の数は全体にマイナスの影響を与えるものだとイメージすると、この計算ルールは理解しやすくなります。

例えば、RPGゲームで毒攻撃を加えられると体力ゲージが減りますよね。このとき毒を「負の数」と考えれば毒がプラスされること(負の数の足し算)=全体にマイナスの影響を及ぼす引き算というイメージがしやすくなります。

さて、問題に戻りましょう。負の数「−4」を足すということは、「4」を引くことと同じですから、次のように計算を進められます。

4.4+(−4)
=4.44
=0.4

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回の問題は、いかがでしたか?

正解を導くためには、算数から数学まで複数の知識が問われました。

ちょっとした計算問題でも、どこかに引っかかりがあるとスムーズに計算できなくなってしまうことがあります。知識のほころびを見つけたら、速めに修復しておくのが計算名人への道です。

ぜひ他の問題にも挑戦して、計算の知識を確かめてみてくださいね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


小数を含む計算にもう一問挑戦!

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