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大人が意外と間違えやすい算数「円柱の体積は?」

  • 2024.9.16
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図形の問題は、公式を丸暗記するだけでは求められないことが多いです。

知っている公式をどれだけうまく組み合わせて使うかがポイントになるからです。

それでは、さっそく今回の問題に挑戦してみましょう。

問題

真ん中に空洞がある次の円柱の体積を求めてください。
※円周率はπ(パイ)とします。
※図の縮尺は必ずしも正確にかかれていない。
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解答

正解は「270πcm3」です。

どうやって計算すればよいのか、分かりましたか?

この問題を計算する方法を次の「ポイント」で確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは「空洞のない円柱から空洞部分の体積を引く」です。

このような「欠けたところのある立体の体積」を求める問題では、最初に「欠けていない立体の体積」をもとめてから「欠けている部分の体積」を引くことで答えが出ます。

では、今回の問題を解く基本方針を確認しておきましょう。

1.円柱の中に空洞がないと考えて全体の円柱の体積を出す
2.空洞部分の円柱の体積を出す
3.1から2を引く

なお、円柱の体積は次の公式で求められます。

底面積(底面の円の面積)×高さ
=底面の半径×半径×π×高さ

全体の円柱の体積を求める

今回の問題の円柱は次のような形をしています。

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この図より、全体の円柱の底面の円の半径は5cmです。円柱の高さは30cmです。

よって、全体の円柱の体積は次の式で求められます。

5×5×π×30=750π(cm3)

空洞部分の円柱の体積を求める

次に、空洞部分の円柱の底面の円の半径は4cmで、円柱の高さは30cmです。空洞部分の円柱の体積を計算すると、次のようになります。

4×4×π×30=480π(cm3)

欠けた円柱の体積を求める

あとは、全体の円柱の体積から空洞部分の円柱の体積を引くだけです。

750π−480π=270π(cm3)

これで、270cm3の答えが導き出せました。

【補足】計算を楽にしたいなら

次のように計算すると、より楽に答えが出せます。

5×5×π×30−4×4×π×30
=25×π×30−16×π×30
=(25−16)×π×30
=9×π×30
=270π(cm3)

5×5×π×30と4×4×π×30はπ×30が共通しています。

よって、分配法則の逆バージョンで共通部分を()の外にまとめると、計算が簡素化できるのです。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

欠けた立体の体積を求める問題は、応用問題としてよく出題されます。基本的には今回紹介した通り「欠けていない立体の体積」をもとめてから「欠けている部分の体積」を引くことで答えが求められます。

問題によって欠け方は様々なので、ぜひいろいろな問題に挑戦して発想の幅を広げてください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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大人が意外と忘れてる「立体の体積は?」→正しく求められる?
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