「分数のみ・小数のみの計算は問題なくできても、二つが一緒に登場する式には苦手意識を持っている」なんてことはありませんか。
これは、小数と分数の関係がしっかり理解できていないからかもしれません。
今回の問題を通して、小数と分数の関係性をおさらいしてみましょう。
問題
次の計算問題の答えを小数で出してください。
3/5+0.2×4
解答
正解は、「1.4」です。
分数部分をどうやって小数と計算すればよいのか、分かったでしょうか?
次の「ポイント」でやり方を解説していますので、つまずきのあった人はぜひご覧ください。
ポイント
この問題のポイントは、「分数を小数で表現する方法」です。
実は、分数というのは割り算の表現方法の一つです。a÷b(b≠0)はa/bという分数で表現できます。逆にa/bという分数をa÷bの割り算に直すこともできます。
このことを利用して、分数を小数に直したいときは分数を割り算の形に直して計算します。
では、さっそく問題に登場する分数3/5を小数に直してみましょう。
3/5
=3÷5
=0.6
これをもとの式に当てはめると、次のようになります。
3/5+0.2×4
=0.6+0.2×4
これで問題は小数のみの式になりました。
計算ルール上、掛け算は足し算よりも優先されるので、0.2×4を先に計算し、次に足し算を行います。
0.6+0.2×4
=0.6+0.8
=1.4
これで答えが出ましたね。
別解:分母が10になるよう分数を変形する
分母が10の倍数になるよう分子と分母に同じ数を掛けて分数を変形し、分数を小数にする方法もあります。
3/5=(3×2)/(5×2)=6/10=0.6(1/10は0.1だから)
分母が5や2など10の倍数に変形しやすい形をしていれば、この方法を使ったほうが早いかもしれません。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
分数→割り算→小数という流れが理解できれば、分数と小数の混ざった計算式も怖くありません。
ただし、分数はいつでも「割り切れる割り算」になるとは限りません。分数を変形した割り算の答えが小数点以下の数字がずっと続いてしまうような無限小数になる場合は、小数ではなく分数で答えを出したほうがすっきりすることもあります。
例:1/3=1÷3=0.333......
分数と小数が関係する問題は他にもたくさんあります。ぜひいろいろな問題に挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
分数と小数が混ざった計算にもう一問挑戦!