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大人が意外と間違えやすい算数「91×99」→暗算できる?

  • 2024.9.12
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10の倍数でない二桁の数どうしの掛け算は、電卓を使うか、あるいは筆算するかしないと答えが出せないと思っていませんか?

しかし、掛け算に使われている数の特徴に注目すると、電卓も筆算もなしで計算できる場合があります。

今回の問題もそんな計算式の一つです。

さて、あなたはどうやって計算しますか?

問題

次の計算を暗算でしてください。
91×99

解答

正解は、「9009」です。

この問題を筆算で計算しようとすると繰り上がりが多くて結構大変なのです。

一方、計算式の中の数のある特徴に注目すれば、暗算でも比較的簡単に答えを導けます。

では、次の「ポイント」でこの問題を暗算で計算する方法について確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「掛け算の中で100に近い数が使われていること」です。

掛け算の中の100は計算を簡単にしてくれるありがたい存在です。

51×100=5100、100×77=7700のように、数字の桁上げをするだけで答えが出るからです。

今回の問題に登場する数は、91と99です。

残念ながらどちらも100ではありませんが、100に近い数です。そこで、より100に近い99の方を100を用いて表すことで、式を変形してみましょう。

  91×99
=91×(100−1)

これで、掛け算の中に100が登場しました。

ここで分配法則を使います。

分配法則とは、()の中を足してから掛け算をする場合と、()の中の数をそれぞれ掛けてから最後に足し算する場合の答えが同じになるという法則です。

分配法則:
(●+▲)×■=●×■+▲×■
●×(▲+■)=●×▲+●×■

なお、分配法則は()の中が引き算でも成り立ちます。

(●−▲)×■=●×■−▲×■
●×(▲−■)=●×▲−●×■

では分配法則を使って、先ほどの式を計算してみましょう。

  91×(100−1)
=91×100−91×1
=9100−91

二桁の数どうしの掛け算が引き算に変わりました。

ここでもう一工夫してみましょう。9100−91を楽に計算するため、100の部分を分離して計算します。

  9100−91
=9000+100−91
=9000+9
=9009

このように工夫して計算すれば、暗算でも二桁の数どうしの掛け算の答えを求めることができるでしょう。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

100に近い数を使った掛け算は、100が出てくる形に式を変形することで、とてもスムーズに計算ができます。

これは様々な場面で使える計算の工夫なので、ぜひ使いこなしてください。

二桁どうしの数の掛け算を簡単にする方法を紹介した問題は、他にもたくさん用意しています。興味がある人は、ぜひ挑戦してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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