式が長いと計算する気が失せてしまう、そんな人もいるでしょう。
しかし、式の特徴に気づけば、面倒な計算をしなくてもあっさり答えが出ることがあります。
今回の問題は、「あるやり方」をすればびっくりするほど早く計算ができます。
さて、あなたはどうやって計算しますか?
問題
次の計算をしてください。
8+9−8×9÷8
解答
正解は、「8」です。
この問題は、一桁の整数のみで構成されているので、計算ルール通りに計算すれば答えにたどり着けるでしょう。
ただし、あるポイントに気づくと、面倒な計算をせずに答えを出せます。
それでは、その「ポイント」とは何かを確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「8×9÷8」の部分にあります。
この問題は四則演算が混じっているので、計算のルール上足し算や引き算よりも掛け算や割り算、つまり「8×9÷8」から計算を行います。
8+9-8×9÷8
8×9の計算をしてから÷8しても、もちろん問題ありません。
ただ次の式と答えの関係に気づくと、より早く計算ができますよ。
A×B÷B=A
A×B÷A=B
どうしてこうなるのかは、分数の形に直すと分かりやすいです。
分数の割り算は逆数を掛けることと同じです。途中で約分できる数は約分するので、上のA、Bの式は次のようにして導くことができます。
A×B÷B=A×B×1/B=(A×B)/B=A(Bで約分)
A×B÷A=A×B×1/A=(A×B)/A=B(Aで約分)
この考え方を使うと、8×9÷8の答えは9です。よって
8+9-8×9÷8
=8+9−9
となります。
また、9-9は同じ数から同じ数を引いているので当然0です。
8+9−9
=8+0
=8
面倒な計算をせずとも、答えが出ましたね。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
式が長いので複雑に見えたかもしれませんが、式の特徴に気づけば簡単に答えが出せる問題でした。
なお、今回紹介した「掛け算の直後に割り算があるときは逆数の掛け算に直す」という手法を使うと、掛け算と割り算に同じ数字が含まれていない場合でも計算を簡略化できることがあります。
他にも計算の工夫で式が簡単になる問題を多数用意していますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
四則演算の問題にもう一問挑戦!