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大人が意外と答えられない算数「28×43」→暗算できる?

  • 2024.9.28
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二桁の数の掛け算を暗算で行うのは難しいと思うかもしれません。

しかし、暗算できれば便利ですよね。計算が苦手な方も「インド式計算法」を学べば、暗算が可能になります。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
28×43

まずは、電卓や計算機アプリを使わずに、自分自身で答えを出してみましょう。

正しく計算できるでしょうか。

解説

今回の問題の答えは「1204」です。

ここでは、「インド式計算法」を用いた計算方法を紹介します。

計算方法

【手順1】
十の位どうしを掛け算し、100倍する。
2×4=8
8×100=800

【手順2】
片方の数の十の位と、もう一方の数の一の位をそれぞれ掛け算し、足し合わせる。(下図参照)
そして、その結果を10倍する。
2×3+8×4
=6+32
=38
38×10=380

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【手順3】
一の位どうしを掛け算する。
8×3=24

【手順4】
手順1〜3の数をすべて足し合わせると、それが答えとなる。
800+380+24=1204

慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、何度か練習すれば、通常の筆算よりも早く答えを出せるかもしれませんよ。

計算が成り立つ理由

今回紹介した計算方法が成り立つ理由を考えてみましょう。

ここでは文字式を使って説明をします。

二桁の数どうしの掛け算なので、次のように二つの数を設定します。

十の位がA、一の位がBの数
→10A+B
十の位がC、一の位がDの数
→10C+D

これらの掛け算を考えるので、計算するのは次の式となります。

(10A+B)(10C+D)

この式を分配法則を用いて展開しましょう。分配法則とは、「二つの数の和(差)にある数をかけても、二つの数にそれぞれある数をかけてからその和(差)をもとめても、結果は変わらない」法則です。

<分配法則>
(a+b)×c= a×c+b×c
(a−b)×c= a×c−b×c

分配法則に従って計算すると、以下のとおりになります。

(10A+B)(10C+D)
=10A×10C+10A×D+B×10C+B×D
=100AC+10AD+10BC+BD
=100AC+10(AD+BC)+BD

100ACの部分が【手順1】の計算、
10(AD+BC)の部分が【手順2】の計算、
BDの部分が【手順3】の計算
となっており、計算が正しいことが分かります。

まとめ

はじめのうちは、手順が複雑で難しく感じるかもしれません。

しかし、通常の筆算の計算に比べると手順が少ないので、慣れてくると速く答えを出すことができるでしょう。

ぜひ繰り返し練習をし、マスターしてください!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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