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OPとEDに隠された“謎”がついに解明!登場していた“アイテム”に隠された驚愕の真実と悲しい結末 『チ。』

  • 2025.1.16
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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

魚豊による漫画を原作とした現在放送中のTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』の第2章のオープニングとエンディングで、意味深に登場していたヨレンタの“手袋”。第15話にて明らかになった父・ノヴァクとの絆を象徴するエピソードをもとに、手袋に込められた意味を考察したい。

遺された手袋……際立つノヴァクの“喪失感”

第2章のオープニングで、幼いヨレンタと手をつなぐ人物が映し出される。その人物の顔はわからず、アップになったヨレンタの手にはまだ小さい彼女には大きすぎる手袋が着けられていた。エンディングのラストでは、手袋を着けた自身の手をぎゅっと握りしめるヨレンタの姿が。強調される手袋と、なにかを祈るような彼女の姿が意味深だった。

ヨレンタの手袋に込められた意味が明らかになったのは、第2章の終盤である第15話だ。異端として捕まったヨレンタは新人の異端審問官・シモンによって逃がされるが、代わりにシモンが灰になるまで燃やされ、ヨレンタの焼死体としてでっちあげられてしまう。

ヨレンタが本当は逃げているとは知らないノヴァクは、彼女だと思い込んでいる焼死体を見て呆然。その後、時は10年前にさかのぼり、ノヴァクの回想が始まった。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

父親思いなヨレンタを深く愛するノヴァクは、彼女のために手袋を買うことに。しかし、届いたのはヨレンタの小さな手には大きすぎる手袋だった。どこかで注文が行き違ったからだとノヴァクは必死に説明するが、涙を流すヨレンタは「神様が悪い!」と言ってしまう。

神をなによりも信仰するノヴァクにとって、神を冒涜するようなヨレンタの発言は声を荒げて激怒するほどのタブーだった。愛する娘についかっとなってしまったことを反省し、すぐに謝ろうとするノヴァク。だが、その前にヨレンタは「お父様は神様のために毎日お仕事してくれてるのに、神様が悪いって言っちゃってごめんなさい」と素直に謝った。

このエピソードがきっかけで、ヨレンタは大きすぎる手袋を着けるようになった。手袋には、ヨレンタとノヴァクのお互いを思いやるやさしい気持ちが詰まっている。同時に、オープニングでヨレンタが手をつないでいたのも、10年前のノヴァクだと推測できる。

時は戻り、手袋を握りしめ、膝から崩れ落ち泣き声をあげるノヴァク。彼の悲痛な姿がやるせない。ヨレンタに対するノヴァクの深すぎる喪失感をより浮き彫りにしているのが、この遺された手袋なのだ。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

ある意味皮肉な展開?

手袋は、手を温かくしたり傷や菌から守ったりするものだ。そんな手袋をプレゼントするのは、現代で言うとハンドクリームを贈るようなものだろうか。どちらにしろ、相手の健康を思いやる気持ちは変わらない。手袋は、ノヴァクとヨレンタという父と娘の絆を象徴するものなのだ。

そんな身を守ってくれるはずの手袋だけがヨレンタの形見として遺されたのは、彼女を守り切れなかったノヴァクにとってある意味皮肉な展開だ。また、ヨレンタの手袋がノヴァクに渡される、つまり受け継がれる様子は、地動説の継承の物語である『チ。』らしい流れのように思う。

第2章のオープニングとエンディングで意味深に登場していたヨレンタの手袋は、ノヴァクとの絆を象徴するものだった。ヨレンタの手袋を握りしめ悲しみに暮れるノヴァクは、すっかり戦意喪失してしまうのだろうか。それとも、復讐の炎を燃え上がらせるのだろうか。第16話にて25年後に時は進み、第3章に突入した『チ。』。今後、ノヴァクがどのような形で登場するのかという点にも注目だ。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

チ。 ―地球の運動について―
ABEMAでは『チ。 ―地球の運動について―』毎週土曜日夜24時10分より無料独占・見放題最速配信
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/568-32
【(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari