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【要注意】秋は気をつけて!スーパーで買ったサケにうごめく『アニサキス』 寄生虫から“身を守る方法”を【管理栄養士】が伝授!

  • 2024.10.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「秋刀魚」と書くサンマを筆頭に、この時期はサバやサケなど、さまざまな魚が旬を迎えます。海鮮好きの方の中には、毎年秋が来るのを楽しみに待っている方も多いかもしれません。

しかし、魚は特に「鮮度」が重要!せっかくスーパーや魚屋さんで買ってきたにもかかわらず、保管方法が間違っていたばっかりに、いざ食べてみるとおいしくなかった…なんてハメになるのは避けたいですよね。

そこで今回は、管理栄養士である若山あみさんに直撃インタビュー!「“秋の味覚”のNG保管方法(魚編)」を教えていただきました。

質問1.秋に旬を迎える魚は?

---まずはじめに、秋に旬を迎える魚を教えていただけますと幸いです。

「秋(9月〜11月)に旬を迎える魚は、サンマ、サバ、イワシ、カツオ、サケ、サワラ、タイなどがあります」

---想像以上に多くて驚きました…!

質問2.スーパーで購入した秋刀魚の保管方法は?

---秋の魚といえば秋刀魚を思い浮かべる人も多いと思います。スーパーで購入した秋刀魚はどのように冷蔵庫で保管するのがよいのでしょうか。保存する際に気をつけるべき点があれば教えてください。

「まずは、冷水で秋刀魚の表面を軽く洗い、その後、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。雑菌を取り除いた状態で保存するために、水分はしっかりと拭き取ってください」

---冷水で洗ってから保管する必要があるのですね!

「その後、なるべく空気を抜きながらラップで包み、ジップ付き保存袋に入れ、冷蔵庫(チルド室が最適)で保管します」

---ラップで包む理由はなんでしょうか?

「ラップで包むのは、保存中の乾燥を防ぐためです。また、ラップで包んだ後、ジップ付き保存袋に入れることで、冷蔵庫に臭いが付くのを防ぐことができます」

---冷蔵庫内が生臭くなるのは避けたいですし、その一手間はとても重要ですね…!

質問3.アニサキスによる食中毒を防ぐために、保存方法と調理法で気をつけるべきことは?

---秋鮭も旬ですが、例年アニサキスによる健康被害も多く見られます。アニサキスによる食中毒を防ぐために、保存方法と調理法の両面でどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。

「アニサキスの幼虫は、ヒトの体内では成虫になれないので通常排泄されますが、魚を生で食べたとき、まれにヒトの胃や腸壁に侵入し、多くが数時間から十数時間以内に、主に激しい腹痛を生じます。吐き気、嘔吐、蕁麻疹などの症状を伴う場合もあります」

---私は幸運にもまだ経験したことはないのですが、とても辛いそうですね…。

「アニサキスは、−20℃で24時間以上(中心部まで)凍結すると死滅します。ですので、保存する際は冷凍することで食中毒を予防することができます」

---万全を期すならば、一度冷凍庫で保管するべきなのですね。

「また、70℃以上での加熱、もしくは60℃で1分以上の加熱でもアニサキスは死滅します。生で食べるのではなく、しっかりと加熱調理することでも食中毒の予防に繋がります」

---これでアニサキスの被害に遭う心配もなさそうです…!

質問4.魚の風味を損なわないように冷凍保存する方法は?

---魚の風味を損なわないように冷凍保存する際に、気をつけるべき点があれば教えてください。

魚を冷凍保存する際のポイントは3つです」

①魚はその日のうちに冷凍する
魚は生ものの中でも特にデリケートで傷みやすいので、鮮度のいいうちに即冷凍しましょう。時間が経ち、風味や食感が劣化した状態で冷凍すると、解凍後の味に影響がでます。食べ切れないと判断した時点で早めに冷凍しましょう。また、魚の表面に付いた水分は、優しく拭き取ってください。
②なるべく急速冷凍する
急速冷凍は、食品を凍らせた時にできる食品内の氷の結晶を小さくできるため、細胞へのダメージを抑え、食感・味・色などの変化を低減できます。急速冷凍のコツは、凍りやすいようになるべく薄くして、さらに金属製のバットを用いるとより効率的です。
③密閉保存袋を使う
魚をおいしく冷凍保存するには、「密閉」もとても重要です。どの食品も、空気に触れることで、乾燥・酸化しますが、魚は特に注意が必要です。ラップで包んだだけでは不十分なため、フリーザーバックなど密閉保存袋に重ならないように入れて、空気を抜いて保存しましょう。

これで安心!旬の魚を堪能しよう

今回は、管理栄養士である若山あみさんに「“秋の味覚”のNG保管方法(魚編)」を教えていただきました。

今までは冷蔵庫内の匂いやアニサキスによる健康被害などが気になって、旬の魚を購入することを躊躇していた方もいらっしゃるかもしれません。でも、今回ご説明いただいた情報を参考にすれば大丈夫!今年は旬の魚を堪能してみてはいかがでしょうか?


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監修者:若山あみ
愛知県尾張旭市「あさひの森内科消化器クリニック」にて管理栄養士として勤務。クリニックでは保険診療で栄養指導を行う傍ら、ダイエット外来も担当。クリニックには美容皮膚科美容内科もあり、日々、食と健康と美について探求している。
HP:https://sunrise-woods-clinic.com/