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「声優は誰なんだ」「当てた人おるんかな」 予想を裏切る“秀逸すぎるラスト” アニメ【推しの子】

  • 2024.9.25

続きが気になって仕方がなくなるアニメは面白い。ラストのワンカット、たったそれだけでも視聴者にインパクトを与え、次回の放送が待ちきれなくなる。現在放送中のTVアニメ『【推しの子】』は、毎話ラストの“引き”が強力だ。芸能界の光と闇を描いたサスペンス作品である『【推しの子】』の面白さを支えているのは、この強い引きのおかげだといっても過言ではない。

ラストで描かれる“意外な展開”

第1期の第1話では、主人公のゴローがトップアイドル・星野アイの子どもである星野アクアに転生し、アイが刺されて悲劇の死を遂げるところまでが描かれる。実は『【推しの子】』は母親を殺した犯人を追う復讐劇だった……。初回に放たれた大砲レベルの意外な展開に驚いた視聴者も多いだろう。

「かくしてプロローグは終わり 新たな物語の幕が上がる」ラストでアップになるアクアの星を宿した眼。その星は黒く光っており、これから始まる物語が恨みや憎しみが入り混じった過酷なものであると表しているかのよう。本作は第1話から衝撃的な展開で視聴者の予想を気持ちよく裏切り、“本編”への期待を引き上げたのだ。

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

また、第2期の第12話のラストでは「東京ブレイド」の原作者・鮫島アビ子が舞台の脚本を全部直してほしいと言い放つシーンが。すでに役者たちが稽古に取り掛かっている段階で脚本を全て書き直すのは、脚本家であるGOAが絶望の表情を浮かべてしまうほど無茶な要望だ。

おとなしそうに見えるアビ子だが、「2.5次元舞台編」にさっそく波乱を呼んだ人物は彼女で間違いない。そのアビ子を一層際立たせたのが、ラストのドキッとするような「どのあたりっていうか その……全部」というアビ子のセリフと言い方なのだ。

謎の少女と伏せられた声優はだれ?

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

第21話の最後に映し出されたのは、謎の少女の姿。白髪で暗い眼をしている少女はニヤリと笑い、あやしい雰囲気を漂わせている。本編では初登場だが、オープニング映像で一瞬出てくるため気になっていた人も少なくないはずだ。

この少女はエンドロールで声優の名前が「???」と伏せられている。発したのは「フッ」というセリフにも満たないような笑い声だけ。これだけで誰が演じているのか当てるのは至難の業だが、なぜ声優が隠されているのか興味をそそるキャラクターだ。

他の登場人物と同一人物であることを隠すためであったり、サプライズのような立ち位置の声優であったりと名前を伏せる理由はいくつか考えられるが、はたして。いずれにしても、新しく開幕する「プライベート編」においてきっと少女は重要な存在になってくるだろう。

ラストシーンを盛り上げるエンディングテーマ

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

“引き”の強さをさらに盛り上げているのがエンディングテーマだ。第1期は女王蜂の「メフィスト」、第2期は羊文学の「Burning」がエンディングテーマを担当している。

この2曲のイントロが醸し出しているのが、物語と共鳴するような“空気感”だ。「メフィスト」からはミステリアスで物悲しい雰囲気を感じ、「Burning」のザリザリしたサウンドからは煮えたぎるような感情を表しているように思える。

ラストシーンに被さるように流れ始めるこれらの楽曲は、どちらも『【推しの子】』の世界観と非常にマッチしている。だからこそ、毎話観終わった後にじんわりと余韻が広がるのだ。

『【推しの子】』は引きが強く、早く続きが観たいと思わせる“吸引力”がある。先の展開が気になるシーンをラストに持ってくる構成と、私たちをあっと言わせるような展開が秀逸なのだ。次回はいったいどのようなラストが待ち受けているのだろうか。

【推しの子】
ABEMAでは『【推しの子】』第2期を毎週水曜夜11時より地上波同時・無料最速で配信。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/25-240?s=25-240_s2&eg=25-240_eg0
【(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、漫画のレビューを手がける。X:@kaku_magari