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カラダの2%しか浮かない! 水遊びに「ライフジャケット」を着用して欲しい理由とは

  • 2024.7.22

夏休みに入り、川や海などのレジャーが多くなるこの時期。水難事故の約半数は7~8月に集中しているそうです。「水に入る時は必ずライフジャケットを装着して欲しい」とライフジャケットの大切さを伝え続けている、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんに、あらためてその重要性をお聞きしました。
※「」内は、あんどうりすさんのコメントです。

パパに「ライフジャケット」を 着用して欲しい理由とは?

カラダの2%しか浮かない! 水遊びに「ライフジャケット」を着用して欲しい理由とはの画像1
(公財)河川財団『No More 水難事故2020(2020年8月発表資料)より抜粋

「上のグラフのように、河川財団による調査では『水難事故の被災者の約7割は男性』と、男性が犠牲になる確率が高く出ています。溺れる子どもを救助しに行くパパなどもこれに含まれているそうです。
なぜ男性の方が多いのか、という理由ははっきりとは判明していないのですが、分かっていることは、水の事故では比較的体力があると思われる大人の男性も被害にあうということです。
水辺では、大人も子どもと同様にライフジャケットを着用することをおすすめします」

ライフジャケットを着ることで 呼吸ができるように!

カラダの2%しか浮かない! 水遊びに「ライフジャケット」を着用して欲しい理由とはの画像2
(公財)河川財団「no more 水難事故2023」より抜粋

真水に近い川では、人は体の2%程度が浮くといわれています。体の2%とは、空気を吸い込むと頭のてっぺんが出る程度、あおむけになりバランスが取れれば鼻と口が水面から出る程度です。

カラダの2%しか浮かない! 水遊びに「ライフジャケット」を着用して欲しい理由とはの画像3
(公財)河川財団「no more 水難事故2023」より抜粋

しかし、ライフジャケットを正しく着用することで、頭部を水面から上に出すことができ、呼吸をすることが可能になります。
「水があり、流れがある場所では、たとえライフジャケットを着用していても沈んだり溺れる可能性はあるもの。ライフジャケットを装着しないことが、どれだけ危険か、その重要性が分かるのではないでしょうか」

水の特徴を知れば ライフジャケットの必要性がわかる!

「ライフジャケットは、車に乗るときに装着するシートベルトと同じです。水に入る時は必ず装着して欲しいですね」

ライフジャケットの役割を知るためには、川や海ではもちろん、洪水などの災害時に水がどのような状態になるか、なぜ水が危険か「水の特徴」を知ることが重要です。

【水の特徴】

水の性質
海水よりも真水の方が比重が軽いため、海よりも真水である川の方が沈みやすくなります。

水の流れ
水が流れているときに垂直に受ける力を動水圧といいます。動水圧は見た目よりも強力で、体に掛かる圧力は、流れが2倍の速さになれば4倍、流れが3倍になれば9倍と強さは一気に増します。
たとえ足首くらいの深さでも、流れによって体ごと流されてしまう恐れがあるのは動水圧があるため。長靴でも運動靴でも流れのあるところでは危険度は変わらないと言っても良いでしょう。

体温との関係
水は空気の20倍以上も体温を奪うと言われています。日陰になる場所や川の上流部などは水温も比較的低く、体は水にぬれるとどんどん冷えていくため、夏でも低体温症になることは多く見られます。

レジャーでの事故の防止や洪水などの災害時、避難の際に救命胴衣としても役立つライフジャケット。大人も子どもも、水遊びや災害に備えてライフジャケットを準備しておくことをおすすめします。

※出典:(公益財団法人)河川財団HP

教えてくれたのは
あんどうりすさん
あんどうりす/アウトドア防災ガイド リスク対策.com名誉顧問
阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルを使った日常にも役立つ防災テクを、赤ちゃん子育て仲間に話したのが2003年。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで全国に広がる。現在、企業研修など多様な講演、FM西東京パーソナリティ、リスク対策.comなど防災記事も執筆。ゆるくて楽しい防災が好み。

※この記事は、2020年10月にウェブ掲載されたものを再編集しています。

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