「覚醒シーンきた」「クオリティ高くて衝撃」【推しの子】17話“圧巻の演出”に反響

現在放送中のTVアニメ『【推しの子】』第2期にて、ついに「東京ブレイド」の舞台の幕が上がった。実力派ぞろいの役者陣のなかで1人浮いていたのが、鳴嶋メルトだ。メルトは過去に出演したドラマ「今日は甘口で」にて大根役者っぷりを見せてしまっていた。しかし、第17話で描かれたメルトの姿はまさしく主人公。彼の成長に胸が熱くなる“メルト回”となった。

メルトが「東京ブレイド」に起用された理由

舞台「東京ブレイド」に出演するメンバーは天才役者の姫川大輝や黒川あかね、天才子役と呼ばれていた有馬かななど、本気を感じるキャスティング。演技の実力が及第点に届くかどうかのメルトに本来入る隙はない。だが、プロデューサーの鏑木勝也（かぶらぎまさや）によって起用された。いったいなぜなのか。

鏑木はメルトのがむしゃらに努力する性格を買っていた。そして、舞台の総合責任者である雷田澄彰（らいだすみあき）もメルトを気に入ると鏑木は踏んでいたのだ。だが、本番までに見劣りしないレベルまで実力を引き上げることはできなかった。舞台を見守っていた『今日は甘口で』の原作者・吉祥寺頼子（きちじょうじよりこ）も、がっかりした表情を隠しきれない。

メルトは外見のよさゆえに、適当に生きていてもなんでも上手くこなせていた。しかし、『今日は甘口で』の星野アクアと有馬の演技を見て挫折を味わう。演技の下手さを自覚したのだ。彼は自分のせいで作品を台無しにしてしまったことを後悔していた。罪悪感を抱えながら挑む舞台は、メルトにとって大きな挑戦だったに違いない。

完璧な“原作再現”に大喜びのアビ子

「完全に下手だと舐めてた役者がいきなりめちゃくちゃ凄いこと始めたら、激アツだろ」とアクアから助言を受けていたメルト。ここぞという場面で彼は落とした刀を蹴り上げ、バク転やステップを織り交ぜながら空から降ってきた刀をキャッチし、華麗に決めポーズを決めた。

突然メルトが披露した超絶アクションに、「東京ブレイド」の原作者・鮫島アビ子も「実際にできると思って描いてないのに、ちゃんと原作通りやってくれるなんて……！」と大喜び。実現不可能だと思うようなシーンの完璧な“原作再現”をやってのけた。

原作に対するこだわりが誰よりも強く、脚本家・GOAと脚本の解釈違いで揉めていたアビ子。原作のシーンを見事に演じきったメルトに対する高揚は、彼女のキラキラした笑顔がなにより物語っていた。

圧巻の作画で描くメルトの覚醒シーン

メルトが離れ業を習得するまで努力できたのはワケがあった。自身が演じる役・キザミに深く感情移入していたからだ。メルトとキザミは強いと思っていた自分が弱かったと知り、猛烈なくやしさを感じる。だからこそ、メルトはキザミというキャラクターに己を重ねて想いを乗せられた。

また、鴨志田朔夜（かもしださくや）と戦う場面では、圧倒的な作画によってメルトの燃えるようなくやしさを表現。メルトは走馬灯を見るかのごとく過去を振り返り、光り輝く星を追い求める。天才アイドル・星野アイの両目に星が宿っていたように、本作において星は才能の象徴と読み解ける。星を用いた印象的で『【推しの子】』らしい演出だ。

このシーンに対してSNSでは「覚醒シーンきた」「あんなに尺使うとは思ってなかった」「漫画の一瞬がアニメではこうなるのか」と大きな反響が。制作陣の気合が入った作画に興奮をおさえきれない視聴者であふれた。

「2.5次元舞台編」においてキーワードとなるのは“感情”ではないだろうか。役者間で煮えたぎる負けたくないという感情や、アクアに立ちはだかる感情演技の壁……。芝居と感情は切っても切り離せない。舞台を通して熱く揺れ動くキャラクターたちの感情に、私たちは夢中になるのだ。

大根役者のイメージが強かったが、今回急激に株を上げたメルト。第17話についてSNSでは「アニメすごすぎる」「クオリティ高くて衝撃」「メルトくんの泥臭さ大好き」「気合すごすぎてどうした推しの子、まだ中盤だぞ」と絶賛の声が続出した。メルトの成長と神作画に痺れる第17話となった。

【推しの子】
ABEMAでは『【推しの子】』第2期を毎週水曜夜11時より地上波同時・無料最速で配信。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
［番組URL］https://abema.tv/video/title/25-240?s=25-240_s2&eg=25-240_eg0
【(C)赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会】

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ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X：@kaku_magari