暮らしの中で義務感からこなしている家事はありませんか?果たして、そのすべては“本当にやらねばならない”ものなのでしょうか。家事のせいで疲れてヘトヘトになったり、上手くいかなくてイライラしたりするようなら、見直し時かもしれません。
今回はミニマリストの本多めぐさんに、「やめてよかった家事」を伺いました!
なぜ家事を見直すのか
毎日の家事はどの年代の方にも大きな負担となることが多いです。特に料理は1日3回のペースがずっと続くので大変。家族の好みや体調も考慮して献立を考えたり、買物に行ったり。真夏に火を使う料理をしたくないですよね。
家族のために日々努力するのは素晴らしいですが、家事が多くなるとストレスが溜まりやすくなります。体力が衰えているのに、若いころと同じようにはできません。
家事の大変さが積み重なると、気持ちの変化が現れやすくなります。例えば、家事をしなければならないというプレッシャーが強くなると、気分が沈んだり焦りが生じます。さらに、家事に追われることで、趣味やリラックスする時間が減り、結果として日常生活の質が低下します。
家事がストレスになると、家族とのコミュニケーションに影響することも。疲れていると、家族に対してイライラしやすくなり、小さなことで衝突することが増えるかもしれません。ストレスで体調不良を引き起こす可能性もあります。
50代からは、家事を効率的にこなす方法を見つけることや、時代に合わせて道具を使いこなしたり、手抜きをすることも大事です。
やめてよかった家事その1:夕食後の食器洗い
私は、疲れている日は夕食後に食器を洗うのをやめて翌朝に洗っています。
以前は「寝る前に食器を片付けるのは当然」と思って習慣的にやっていましたが、夜遅くなって疲れている時に無理してやるより、朝起きてやった方が元気があるのでサクサクに洗えるのです。家族がその間にキッチンに立つことはなく誰にも迷惑をかけませんので、自分がやりやすい時間帯にずらすだけ。
歳をとると疲れやすく、健康のためにも睡眠は何より大事です。睡眠時間を削って皿を洗うなら、翌朝に持ち越したほうが体にも負担がかからず良い選択だと思っています。
やめようと思ったきっかけは、単に疲れて洗わないで寝たことです。夕食が遅くなった日に「まあいいか」とやめてみても、何も困らなかったのでした。
やめてよかった家事その2:毎日の掃除
毎日掃除機をかけているという人も多いのではないでしょうか。
我が家は夫婦ふたりで子どもがいないため、そこまで家の中が汚れることはありません。日々の床掃除はクイックルワイパーで済ませ、部分的にほうきとちりとりで大きなゴミや髪の毛を取ります。たまに、あまりにもゴミが目立つ時だけ掃除機をかけるように変更しました。
何も考えず毎日やっている掃除ですが、汚れに合わせて掃除の頻度を変えても良いと気づきました。それに、汚れがないのに掃除をしても労力の無駄。他の家事に時間を当てた方が良いですし、もっと柔軟に考えて良いのです。
きっかけは、仕事が多忙な時期があり、残業が多く毎日の掃除ができなくなったこと。意外と掃除しなくても汚れていないと気づきました。
家事をやめた後のポジティブな変化
家事に追われる時間が減ると、自由な時間が増えます。その結果、心にゆとりができました。余った時間で趣味や好きなことができるので充実度もアップ。そして家事ストレスが減ることでイライラが減り、家族との時間をより穏やかに過ごせるようになりました。
もちろん、汚れが気になったら拭くなど、家事をしないわけではないので、多少減らしても家の中に大きな変化はありません。
そして料理も、あまり無理をせずお惣菜を取り入れるなどしていますが、夫が自分の好きなものを買ってくるので喜ばれています。出されたものを食べるより、自分の好きなものを「選ぶ」楽しみってありますよね。いろいろな味を楽しめるので2人の会話も弾みます。
一歩踏み出せない人には、まず小さな家事からやめてみることをおすすめします。例えば、毎日の掃除を週に数回に減らしたり、忙しい時は料理をやめてお惣菜を買うなど、小さなことから始めてみましょう。そして、結果を観察してみてください。思ったよりも生活に大きな変化がない場合が多いです。
家事をやめることは、体も心も楽になれる手っ取り早い方法です。思い切って何かひとつでも手放してみてはどうでしょう。家事をひとつやめて、様子を見て、ダメだったらまた他の方法にチャレンジして…という過程は楽しいものですよ。
家事をやめることで得られる「心の余裕」
家事をやめることで得られる心の余裕は、家庭全体に良い影響を与えます。自分がリラックスできる時間を持つことで、家族に対しても穏やかに接することができ、家庭の雰囲気が明るくなります。上機嫌でいることは何より大事ではないでしょうか。
また、老後のために夫と家事シェアするのは大切だと思っています。少しずつ家事を分担し、定年後に夫にもある程度の家事をしてもらえるように教育していくのは大事。夫に家庭内で「役割」を与えると、定年後も暇にならず、家の中に居場所を作ることになります。例えば、老後にパートナーが毎日の昼食を作ってくれたらとっても楽だと思いませんか?
家事をやめるというと大げさですが、要するに仕事の効率化です。必要な仕事は仕組化して手早く済ませ、不必要な仕事は削る。職場で普通にやっていることを家庭内でも応用していきましょう。頑張って仕事をしてきた人ほど、家事の効率化も上手だと思いますよ。
監修者:本多めぐ(@megukatuma)
北海道在住の50代ミニマリスト主婦。節約、捨て活、合理的でお金のかからない暮らしについてブログやXで発信中。占い師としても活動している。