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簡単だけど意外と間違えるかも?!「(−4)×(−8)」→秒で解ける?

  • 2024.7.20
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負の数の計算は、中学1年生で学習します。

しかし、日常生活では使うことも少ないので、忘れている方もいるのではないでしょうか。

問題に挑戦し、正しい理解ができているか確認をしてみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
(−4)×(−8)

正しい答えを出すことができるでしょうか。

答えが分かった方は「そのような答えになる理由」まで考えてみましょう。

解説

今回の問題の答えは「+32」です。

符号(プラス・マイナス)の規則は以下のようになります。
(ここでは、掛け算で記載していますが、割り算でも同様です)

(+)×(+)=(+)
(+)×(−)=(−)
(−)×(+)=(−)
(−)×(−)=(+)

正負の数を含んだ掛け算では、数字と符号をそれぞれ分けて考えることが可能です。

(−4)×(−8)の場合
数字:4×8=32
符号:(−)×(−)=(+)
したがって、(−4)×(−8)=+32

マイナス×マイナス=プラスになる理由

「(+)×(+)=(+)」は、ただの掛け算と同じです。

また、「(+)×(−)=(−)」や「(−)×(+)=(−)」も、「マイナスが何個分」と考えるとイメージしやすいはずです。

「(−)×(+)=(−)」は、式の順番的に「マイナスが何個分」あるかを計算しているイメージがわきやすいかもしれませんね。

一方で、「(+)×(−)=(−)」の式では(+)が先に書かれているため、イメージがわきにくい方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、掛け算は順番を入れ替えることができますので、「(+)×(−)=(-)」は「(−)×(+)=(−)」と一緒になります。

そのため、「(+)×(−)=(−)」も「マイナスが何個分」あるかを計算していると解釈できるのです。

では、なぜ「(−)×(−)=(+)」が成り立つのでしょうか。

これは、実は「計算の規則に矛盾がないように決められたルール」なのです。
※「(−)×(−)=(+)」の説明はさまざまの方法があり、紹介するのはあくまで一例です。

次の計算をみてみましょう。

(−4)×(+3)=−12
(−4)×(+2)=−8
(−4)×(+1)=−4
(−4)×0 =0

掛ける数が+3,+2,+1,0と1ずつ小さくなるにしたがって、計算結果は−12,−8,−4,0と4ずつ大きくなっています。

では、掛ける数をさらに1小さくしてみましょう。この規則に従うと、計算結果は4大きくならなければいけません。

(−4)×(−1)=+4

さらに続けると、次のようになります。

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さて、実際にマイナスとマイナスを掛けたときにプラスになっている様子が確認できたのではないでしょうか。

掛けられる数が(−4)ではなく、(−3)や(−0.2)など他のマイナスの数にしてもこれは成り立ちます。

よって、「(−)×(−)=(+)」が成り立てば、計算の規則に矛盾が生じません。

このようにして「(−)×(−)=(+)」が決められているということが分かります。

まとめ

なぜ「(−)×(−)=(+)」になるのかは、もちろんルールとして覚えていることは大切です。

しかし、ただ暗記するだけではなく「なぜ」ということまで考えると、数学はさらに楽しくなるはずです!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」

監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)

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和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事

2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。


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