社会人になってからの計算は電卓だよりで、ほとんど自力で計算をしていないという人もいるのではないでしょうか。
しかし、負の数交じりの掛け算や割り算は、()が入力できない電卓では答えがうまく出てこないことが多いと思います。
そんなときこそ、計算力を試すチャンス。今回の問題で、負の数の掛け算の計算ルールを確認してみましょう。
問題
次の計算をしましょう。
10×(−10)×(−10)
答え
正解は、「1000」です。
負の数が登場していたにもかかわらず、答えは正の数になりました。
どうしてこうなるのか疑問に思った人は、次の「ポイント」で計算方法を確認してみてください。
ポイント
この問題のポイントは、負の数の掛け算の計算ルールにあります。
実は掛け算では、正の数か負の数かでルールを場合分けする必要はありません。
次のシンプルなルールを覚えておけば、正の数、負の数、どちらの掛け算も正しく計算できます。
異符号どうしの掛け算→答えは負の数
例:−2×2=−4
2×(−2)=−4
同符号どうしの掛け算→答えは正の数
例:−2×(−2)=2
2×2=4
※正の数の前の+符号は省略しています。
では、この計算ルールを今回の問題に当てはめてみましょう。
10×(−10)×(−10)
最初の10×(−10)は異符号どうし(正の数×負の数)の掛け算なので、答えは−100と負の数になります。
次の−100×(−10)は同符号どうし(負の数×負の数)の掛け算なので、答えは1000と正の数になります。
では、計算の流れをまとめてみてみましょう。
10×(−10)×(−10)
=−100×(−10)
=1000
ちなみに、この計算ルールを拡張すると、次のことが分かります。
掛け算で負の数が偶数個掛けられている→答えは正の数
掛け算で負の数が奇数個掛けられている→答えは負の数
今回の問題では負の数が二つ、つまり偶数個登場しているので、その時点で答えは正の数だと分かるのです。
まとめ
いかがでしたか?
負の数が交じっている掛け算は、掛けられる数・掛ける数の符号によって答えの符号が変わります。
基本の計算ルールを覚えたら、他の問題にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
負の数の計算にもう一問挑戦!