「背を伸ばすために牛乳！」は本当…？栄養学的な観点から【管理栄養士が解説】

子どもの頃に、牛乳を飲むと背が伸びると言われたことがありませんか？給食にも出ていたし、何となく信じて飲んできたものの、大人になって「そういえば関係あったのだろうか…」とふいに気になったりしますよね。

成長期の子供やその親御さんにとって気になるテーマ、「背を伸ばすために牛乳はどうなの？」について詳しく管理栄養士が詳しく解説！

多くの方が牛乳を飲むと背が伸びるという話を耳にしたことがあるかと思いますが、果たしてその真実はどうなのでしょうか？この記事では、栄養学的な観点からその疑問に答えていきます。

【管理栄養士が解説】背を伸ばすために牛乳はどうなの？

 

まず、牛乳には成長期の子供にとって非常に重要な栄養素が豊富に含まれています。

1. カルシウム
カルシウムは骨の形成と維持に必要不可欠なミネラルです。成長期の子供たちは骨が急速に発達するため、カルシウムの適切な摂取が重要です。牛乳はカルシウムを豊富に含んでおり、手軽に摂取できる食品の一つです。

2. タンパク質
良質なタンパク質は、骨や筋肉の成長に欠かせない栄養素です。牛乳に含まれるタンパク質は、アミノ酸のバランスが良く、成長期の子供たちにとって理想的な栄養源です。

3. ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康を促進します。牛乳にはビタミンDも含まれており、効率的にカルシウムを摂取できるのが特徴です。

身長を伸ばすための要素とは？

牛乳には身長の伸びに寄与する栄養素が含まれていますが、これだけで背が伸びるわけではありません。身長の伸びには、遺伝、ホルモン、運動、睡眠、そして総合的な栄養バランスが関与しています。

1. 遺伝
身長の多くは遺伝によって決まります。両親の身長が高いと、子供の身長も高くなる傾向があります。しかし、遺伝だけでなく環境要因も大きく影響します。

2. 成長ホルモン
成長ホルモンは骨の成長に不可欠です。このホルモンは主に夜間の深い睡眠中に分泌されます。したがって、十分な睡眠をとることが非常に重要です。

3. 運動
適度な運動は骨に刺激を与え、骨の成長を促します。特にジャンプやランニングなどの負荷がかかる運動は、骨の成長に良い影響を与えます。

4. バランスの良い栄養
カルシウム、タンパク質、ビタミンDだけでなく、ビタミンC、ビタミンK、亜鉛、マグネシウムなども骨の成長に重要です。これらをバランスよく摂取することが求められます。

牛乳の消費における注意点も…！

牛乳は栄養豊富な飲み物ですが、全ての人に適しているわけではありません。以下の点に注意が必要です。乳糖不耐症の人は、牛乳を飲むと消化不良を起こすことがあります。これは、乳糖を分解する酵素（ラクターゼ）が不足しているためです。この場合、乳糖フリーの牛乳や、豆乳、アーモンドミルクなどの代替品を利用すると良いでしょう。

牛乳のカルシウム吸収率は高いですが、他の食品からもカルシウムを摂取することができます。例えば、小松菜、ケール、豆腐、干しえびなどがカルシウムを多く含む食品です。

また、牛乳だけに頼らず、多様な食品から栄養を摂取することが重要です。以下のような食事を心がけましょう。

1. 緑黄色野菜
ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの緑黄色野菜は、ビタミンやミネラルが豊富です。特にビタミンKは骨の健康に重要です。

2. 魚介類
骨ごと食べられる小魚（例えばいわしの丸干し）やサーモンなどは、カルシウムとビタミンDの良い供給源です。

3. 豆類とナッツ
大豆製品（豆腐、納豆）やナッツ（アーモンド、ゴマ）は、タンパク質とカルシウムが豊富です。

4. 全粒穀物
玄米や全粒パン、オートミールは、食物繊維やビタミンB群を多く含んでおり、栄養バランスを整えるのに役立ちます。

成長期の子供のための生活習慣

規則正しい生活: 毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠をとりましょう。特に夜10時から2時の間は成長ホルモンの分泌が最も活発です。

適度な運動：毎日30分以上の運動を心がけましょう。骨に負荷をかける運動が効果的です。

バランスの良い食事：成長期の子供には、3食きちんと食べることが重要です。これにより、必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。

牛乳の摂取：牛乳や乳製品を1日2-3回、コップ1杯程度（約200ml）摂取することが推奨されます。乳糖不耐症の人は、代替品を利用しましょう。

牛乳は、身長を伸ばすための一助となる栄養豊富な飲み物です。しかし、これだけで背が伸びるわけではなく、遺伝、成長ホルモン、運動、睡眠、そしてバランスの良い食事といった多くの要因が関与しています。牛乳を毎日の食事に取り入れつつ、総合的なアプローチで健康的な成長をサポートしていきましょう。

健康的な生活習慣を心がけ、成長期の子供たちが健やかに育つように、親としても積極的にサポートしていくことが大切です。

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作画：ミヤギトオル（@mitume333）

監修：本多 勝(ほんだ しょう)岡崎市の管理栄養士
1992年愛知県岡崎市生まれ。 空手家として、12度の全日本選手権大会優勝の実績を持つ闘う管理栄養士。 食事・運動・瞑想のノウハウをビジネスマン向けに応用したコンテンツで、 健康という切り口から企業のパフォーマンスアップに寄与。