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「金ないから無理」スマホ代を払わせ続ける彼氏…どう対処すべき?弁護士に聞いてみた

  • 2024.8.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

お金の貸し借りは、親族や友人、恋人であっても慎重にならなくてはいけないもの。大きなものの購入や、契約などについては、よりいっそう注意する必要があります。中には、パートナーから名義を借りようとする人もいるようです。

今回は、スマホ契約の名義の貸し借りが原因で起こったトラブルについて、弁護士さんにお話を伺いました。

スマホ代と買い物代を払わない彼氏…

同棲している彼氏が親にスマホの契約を切られてしまい、「自分ではスマホの契約ができないから代わりにしてほしい」と言われ、名義だけ貸す形になりました。
ログインなども彼が勝手に設定したもので私がいじることはできず、請求等だけはこちらに来るのですが、請求が私のほうに来るたびに彼が私にその料金を渡すという形になっています。

請求額が多いなとは思っていましたが、最初は私には関係がないので気にしていませんでした。
ですが、かんたん決済のような機能でぽんぽん自分の欲しいものを買うようになり、月々の基本料金に、その決済の代金も乗ってくるようになりました。
そして、彼はバイトを辞めてしまい「お金がないから」と言って、それらの金額を私にまったく返さなくなりました。返してほしいと言っても「お金がないから無理」しか言いません。

訴えたいわけではないですが、どんどん払えない金額になっていくためどうしたらいいかわからず、今は弁護士に相談しようか迷っています。(20代女性・無職)

こちらのケースについて、一歩法律事務所の南陽輔弁護士にお話をお伺いしました。

---どうしたらいいかわからないという投稿者さんですが、まず何から始めたらいいでしょうか。アドバイスを頂けると幸いです。

まずはスマホの解約を検討すべきでしょう。名義は投稿者さんのはずですので、投稿者さんの判断で自由に解約することができます。解約すれば、今後の基本料金や使用料などの金額の発生を止めることができます」

---もしこのパートナーさんが今まで投稿者さんに立て替えさせていた分の返済を渋るようなら、投稿者さんはどのようにしたらよいでしょうか。

今までの立て替えたぶんについては、パートナーさんに対して返還請求することが可能です。パートナーさんは、本来負担しなければらないスマホ代を支払わずに済むという利益を得ており、対して、投稿者さんはパートナーさんに代わりにスマホ代を支払うという損失を被っています。

これは、民法上の不当利得(民法703条)に当たりますので、損失を被っている投稿者さんから、利得者であるパートナーさんに対して、不当利得返還請求として立て替えた分の請求ができるということになります」

---よかったです。投稿者さんは訴えたいわけではないそうですが、事実として、このパートナーさんはどのような法を犯していることになるのでしょうか?

携帯電話を第三者の名義で契約するということは、携帯電話不正利用防止法という法律に抵触するおそれがあります。この法律は、昨今の特殊詐欺が蔓延している状況を受けて、特殊詐欺等の犯罪行為に携帯電話が利用されることを防ぐために作られたもので、契約時に本人確認の義務と、携帯電話の第三者への譲渡を禁止する法律です。

同法は有償での第三者への譲渡を禁止するもので、実態としては、家族間やパートナー間では同法に違反するとして処罰されることはありませんが、こうした法律に違反しかねない行為であることは認識いただいたほうが良いでしょう

---また同じような目に遭わないために、どのようにしたらよいか、気を付けるべきことなどを教えてください。

「パートナーさんのためとはいえ、簡単にスマホの契約を結ばないように注意しましょう。スマホのみならず、将来的に金銭的な負担が生じうる契約かどうかについて、契約時によく検討してから行ったほうが良いです。

今回のご相談内容では、パートナーさんから「自分ではスマホの契約ができないから」と言って頼まれたとのことですが、まずなぜパートナーさんは自分ではスマホの契約ができないのか、確認するようにしましょう。もしかしたら、借金があってブラックリストに載っているためにスマホの分割での購入契約ができないということなのかもしれません

もしそういう事情が契約前にわかっていたら、そもそも投稿者さんは、契約の名義人になることを断ることも検討できたかもしれません」

---「難しくて契約ができない」ではなく他の理由がある可能性も視野に入れなくてはいけませんね。アドバイスありがとうございました。

名義の貸し借りはどうか慎重に

まず、スマホの契約の名義人をパートナーにお願いすること自体、法に触れる可能性があるということを覚えておきたいですね。

なんらかの事情により自分ではスマホなどの契約をできないパートナーが、軽いことのようにして頼んできて断りづらい、ということもあるでしょう。

そういった場合は「助けてあげたい気持ちはあるけど、それは違法だからやらないほうがいいと思う」と、拒否したほうが良さそうです。



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※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
・募集方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
・募集対象:全国の18歳以上
・募集期間:2024/7/17〜7/22