豊川悦司、『地面師たち』話題シーンの“衝撃ウラ話”を告白！「リリーさんのあんな顔を初めて見た」

2024.8.16

新庄耕の同名小説が原作のNetflix作品『地面師たち』に対する熱狂が続いている。公式YouTubeでは、綾野剛、豊川悦司、ピエール瀧、北村一輝らが、撮影の裏側について語るアフタートーク映像を公開。出演者によって明かされた秘密を一部紹介する。なお、アフタートーク映像は本編鑑賞後に観ることをおすすめしたい。

「ハリソンルーム」に込められたこだわり

「地面師たちの宴」と題されたアフタートーク前編では、撮影で大変だったこと、大根仁監督の演出についてなどのトークテーマに花が咲いた。

本編では、地面師たちのターゲットとして光庵寺の土地が狙われる展開になるが、炎天下における広大な駐車場での撮影に「とにかく暑かった」の声が。俳優陣はもちろん、撮影スタッフも相当大変だったと思う、と労いの言葉が飛び交う。

地面師チームの交渉役・辻本拓海を演じた綾野剛は、大根監督の印象的な演出について「綾野くんごめん、あと2ミリくらい口を半開きにしてほしい」と言われたことに、驚きを隠せなかったという。カメラに映るか映らないか、細やかな部分の精度を保つ姿勢と、構図とのバランスをとる絶妙さに言及した。

また、豊川悦司演じる地面師チームのリーダー・ハリソン山中の通称「ハリソンルーム」にも話が及ぶ。地面師たちが集まって打ち合わせをしたり、基本的に表には出ないハリソンの拠点として描かれる場所だ。

綾野によると、実はハリソンルームの照明の色は、シーン毎に少しずつ変化しているのだとか。すでに全7話を鑑賞済みの方も、ぜひハリソンルームに注目して再び観てみるのも一興では。

出演陣からも「良いお酒がたくさん置いてあるから、飲みたくなる」「すぐに所在なくできるくらい、物がなくてシンプル」とコメントが集まる。地面師チームの情報屋・竹下を演じた北村一輝は「ハリソンはどこで寝てるんだろう、とか想像しちゃう」と一言。何を考えているかわからない、いわゆるサイコパスな面が目立つハリソンだが、この部屋でどんな暮らしをしているか考えてみるのもおもしろい。

豊川自身が「（メインのターゲットである）石洋ハウス側のオフィスなどはリアルに作り込み、反対にハリソンルームは少しケレン味を持たせて、遊び心を加えた」と教えてくれた。

下村辰夫の「とあるシーン」に注目

「地面師たちの宴」アフタートーク後編では、印象的だったシーンとして、綾野や北村がリリー・フランキー演じる警視庁捜査二課の刑事・下村辰夫とハリソン山中が対峙するシーンを挙げた。

下村が、ハリソンによって家族を人質にとられ、ビルの上階から突き落とされそうになるシーン。「リリーさんのあんな顔を初めて見た」「自分が同じ状況に立たされたらどうなるだろうと考えた。本当に怖かったらああいう風になるんだろうなと思うくらいリアルだった」と綾野や北村が語る通り、まさに一触即発の緊張感あふれるシーンになっている。

そんななかでも、淡々と自分のペースを崩さないハリソンの様子が、下村の怯える姿と対比されてより一層凄みが増している。豊川は該当シーンを指して「実際に下村が落ちてしまうシーンでは防護柵があったが、ハリソンがカウントダウンするシーンではなかった。『豊川さん、防護柵要りますか？』と聞かれて、『要るでしょ〜』って」とお茶目に述懐した。

それぞれ好きなキャラクターを挙げる段になり、地面師チームの法律屋・後藤を演じたピエール瀧は、小池栄子が演じた地面師チームの手配師・麗子を指し「熱海で人を騙してスカウトするシーン」が最高だった、と絶賛。

麗子は通常、成りすまし役を手配するだけで、ハリソン同様、表には出ないポジションにいる。しかし、終盤のとある展開において、自ら成りすまし役をせざるを得なくなる。誰よりも役者として成りきる姿に、共演者たちも心を動かされたようだ。

地面師チームのニンベン師・長井を演じた染谷将太や、石洋ハウスの開発部長・青柳を演じた山本耕史など、詐欺師側も騙される側もどこかチャーミングな魅力を持つキャラクターたちが多い。また、オープニング映像で流れるナレーションは、山田孝之が担当していることも明かしている。

アフタートーク映像は、本編鑑賞後に観ることをおすすめするが、アフタートーク後にふたたび本編を観るのも、さまざまな発見に溢れた体験となるだろう。

ライター：北村有（Kitamura Yuu）
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。
X（旧Twitter）：@yuu_uu_