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『遺産を整理する為にかかった費用』誰がどう負担する? 税理士に聞いてみた

  • 2024.7.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大切な祖父母や親が亡くなって悲しみにくれるなか、遺産相続の手続きも早急に行う必要があり、涙を流してばかりはいられないのが実情ですよね。しかし、生前整理がされていないと、資産の把握等に時間がかかり、揉め事に発展してしまうケースもあるようです。

遺産相続での「経費」トラブルについて、税理士さんに詳しくお伺いしました。

遺産整理にお金がかかったのだけど…

祖父が亡くなって、遺産相続の話になった時の話です。遺産の整理がされておらず、財産や登記の確認など、資産の把握に時間を取られることになりました。
それらを確認するのにあちこちに行く必要があり、交通費も時間も多くかかりました
そういった経緯があって、遺産相続の分配までこぎつけたのですが、交通費や経費等を遺産全体から差し引くか、いったん分配してから各々が支払うか、ということで揉め事に
経費を払いたくないという親戚もいるのですが、遺産整理に関する交通費・経費・手間賃は誰がどのお金からどう負担するのが良いのでしょうか?
(20代男性・会社員)

こちらのケースについて、現在、中小企業やフリーランスなどの個人事業主を対象とした所得税、法人税、会計業務を中心に税務業務に携わっている税理士さんに、お話を伺いました。

---遺産整理に関する経費は、相続財産から控除することはできませんか?

「相続財産から控除できる費用は、被相続人の債務(借入金や事業での買掛金、入院費の未払金)や葬儀費用、お寺へのお布施代、火葬費用、被相続人の所得税・住民税・固定資産税になります。よって、遺産整理にかかった費用については相続財産から控除することはできません」

---となると、「資産の把握にかかった交通費や経費などは、相続する人全員で折半して出し合う」とするのが平等でしょうか?

「財産相続後の現金から、相続人の数で均等に払うのが良いかと考えられます」

---投稿者さんの場合のように「経費を払いたくない!」と頑なに主張する親戚がいた場合、どのようにしたら良いのでしょうか?

「『経費を払いたくない』と主張する相続人がいた場合、相続財産を分配する際に、その相続人のみに対して、発生した経費を除いた分の財産を相続させれば良いかと思います。しかし、この場合、他の相続人との不公平感が生じてしまうため、裁判を起こして解決することも可能です」

---こういったトラブルを招かないためにできることはありますか?

「相続財産が多くあり、相続人も複数いる場合には、相続人間でトラブルが発生することも考えられます。相続時にトラブルが発生しないように、相続対策として、生前に、遺言書の作成や、相続財産に不動産が多い場合には相続税の納税資金確保をしておくなどの対策をしておくことをお勧めいたします」

自分が亡くなったあと、子どもやきょうだいたちが自分の相続について揉めてしまうのは本意ではない、という方は多いでしょう。元気なうちに、財産や不動産を整理しておくのが良さそうですね。



※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
・募集方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
・募集対象:全国の18歳以上
・募集期間:2024/6/13〜6/18