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17年ぶりの再共演!フジ・新ドラマに神木隆之介がキャスティングされた背景

  • 2024.7.31

実際の同級生でもあり、ドラマ『探偵学園Q』(2007/日テレ系列)でも共演している山田涼介と神木隆之介が、約17年ぶりに金曜夜9時放送ドラマ『ビリオン×スクール』で共演。神木演じる、私立絵都学園の校務員・内巻雫は、山田演じる加賀美零の行く先々に唐突に現れ、意味ありげな会話をして去っていく。彼は何者なのか?

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(C)SANKEI

元同級生の再共演に沸く

神木演じる雫の登場シーンは、いつも唐突だ。前触れなく零の前に現れては、意味があるような、それともまったくないような会話をするだけで終わる。実は裏で物語の根幹を担っている……わけでもなさそうで、零が問題児たちに向き合うためのヒントを与えてくれている……わけでもない。

『探偵学園Q』をリアルタイムで見ていた視聴者にとっては、元同級生の再共演は「熱い」の一言だろう。しかも、7月26日に放送された第4話では、同じく『探偵学園Q』に出演していた志田未来も登場。

ファンとしては嬉しいシーンだが、果たして「内巻雫」のキャラクター的意味合いや、登場の必然性はあるのか? これまで雫は、決して多くはないが、毎話欠かさず出演シーンがあった。

ファンたちにノスタルジーを与えるのが目的なら、1話のみのゲスト出演でも事足りるはず。少々メタ的な見方だが、俳優・神木隆之介をキャスティングする背景には、相応の“仕組み”が用意されていないとおかしい

内巻雫は加賀美零の「過去」に関わる人物か?

零は大学どころか高校、中学校、小学校も出ていない。日本、いや世界の教育制度の根幹を担う「学校」というシステムを経験していないことになる。くわえて、11歳以前の記憶がないことも明らかになっている。

このことを踏まえたうえで、「雫」と「零」の名前に注目したい。

雫が零に仕掛ける話題は、他愛のないことが多い。しかし、幼少期につけられたあだ名や、学校で流行った遊びについて投げかけるパターンが目立つ。

雫は、零の父である治(市村正親)や、絵都学園の校長である東堂真紀子(水野美紀)の差し金で、秘密裏に零の動向を見張っているのではないか。はたまた、失われた零の記憶に肉薄する人物である可能性もある。

治と真紀子が、零の記憶について「思い出させてはならない」と話していること。さらには、真紀子が絵都学園の校長として現地に戻ることを示唆したときに(真紀子はしばらく学園を離れていた)、治が「思い出させる要因を近づけたくない」といった話をしていることからも、零と雫はまったくの他人ではないことが匂わされている。

億万長者のお遊びといった、どこか有閑で軽快な印象のある学園ドラマから一転。物語が終盤に近づくにつれ、零の“失われた記憶”が俎上に上がり、そのキーパーソンとして雫の存在に焦点が当たると想像できる。

零はどんな理由で、11歳以前の記憶を失ってしまったのか。そこに、雫はどんな形で関わっているのか。神木演じる雫の存在を軸にこのドラマを見てみると、また新たな味わいがある。



フジテレビ系『ビリオンスクール』毎週金曜よる9時放送
ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。
X(旧Twitter):@yuu_uu_